子どもと何をして遊ぼう・・・とあなたの悩みも尽きないものですよね。そんな時、親子の絆を深めながらも子どもの成長も促す『育脳遊び』をぜひ取り入れてみてはいかがでしょう?
このコラムでは60年以上の歴史を持つ「七田式」が研究・実践してきた右脳教育を株式会社しちだ・教育研究所 代表取締役 社長の七田先生にお伺いしましたので、ご紹介いたします!
育脳あそびの中で右脳を刺激しながら、ぜひお子さんの成長を楽しんでみてくださいね。
では、具体的な遊び方『子どもの感性を豊かにする五感あそび』をお伝えしていきますね!
▼「子どもとの時間をより『濃密』にする秘訣」についてのコラムもあわせてご覧ください。
目次
『五感あそび』とは? 保育士も意識する「子どもの感性を豊かにする遊び」
五感遊びでは、視覚(目で見る)・聴覚(耳で聞く)・嗅覚(鼻で匂いを嗅ぐ)・味覚(口で味わう)・触覚(手で触る)の五つの感覚を研ぎ澄ませて遊びます。
なぜ五感への刺激が重要なの?
人間は生まれた時から様々な刺激を受けています。「五感への刺激」は脳を健やかに育てます。
「脳の発達」というと学校での成績が良いとか、勉強ができるとかを思い浮かべがちですが、それだけではありません。知能以外に、生命の維持や感情、心を司るのも脳の働きです。
脳は日常にある穏やかな五感への刺激を繰り返し受けることで発達します。普段の遊びを少し工夫するだけで、子どもの五感に刺激を与え、脳の発達を促すことができます。
五感が磨かれると、下記のようなメリットがあります。
- 情緒安定
気持ちがよい、安心する感覚が覚えられます。 - 危険を察知し、身を守る力がつく
痛みや危ないものが分かり、避けられるようになります。 - 自分自身の身体を知る
自分の大きさや手足の長さを把握できるようになり、衣服を脱着したり遊具をくぐったりできるようになります。
『脳の発達』とはどういうこと?
生まれたばかりの赤ちゃんと大人の脳細胞の数は、実はほぼ同じです。では、子どもと大人の脳は何が違うのでしょうか。
赤ちゃんの脳は情報処理を行う神経細胞同士がつながっていません。この神経細胞が他の神経細胞と結びつくとき『シナプス』という接続点が作られます。
言葉を覚えたり、複雑な動きができるようになったりするのは、このシナプスが増えるから。つまり、脳の発達とは神経細胞同士が適正なつながりをつくり、シナプスが増えることです。
そしてシナプスを増やすために必要なのが、五感からの刺激なのです。
生まれたばかりの赤ちゃんにはシナプスがほとんどありませんが、生後急激に増え、6歳頃には大人と同じ脳の大きさになります。
保育のプロ 保育士も意識している五感への影響
あなたはいつもお子さんとどんなふうに遊んでいますか?
おもちゃを使って。のりやはさみで工作をして。歌ったり踊ったり…。絵本を読むことを日課にしている方もいるかもしれません。
いろんな遊びがありますが、保育園では「保育活動のねらい」を考えてカリキュラムが作られます。その「保育活動のねらい」で『五感』を意識した遊びを取り入れる保育士は多いです。
室内に比べ、限りない情報量が存在する外での遊びのほうが、子どもたちの五感を最大限に刺激し、脳の発達を促すことができます。
しかし、お天気が悪かったり、気温が高すぎたり低すぎたりすると、いつも外遊びができるわけではありませんね。
そこで、このコラムでは家の中でもできる五感を鍛えるあそびをご紹介します。
五感あそび1「視覚あそび」
お子さんのお気に入りのぬいぐるみや文房具などを用意します。家にあるもの何でもOK。
そのもの全体を見て当てるというのは面白くないので、全体は隠し一部だけ見せ、子どもに当ててもらいます。少しずつ隠す部分を増やして難易度を上げていくのも面白いですね。
五感あそび2「聴覚あそび」
笛・たいこ・カスタネット・ハーモニカなど家にある楽器を用意して、お子さんにその楽器が見えないようにして音を出し、どの楽器だったか当てさせてみましょう。
また、木製のまな板、金属製のボウル、陶器の茶碗、ガラス製のコップなど、台所にあるいろいろな材質のものを用意し見えないようにして、それぞれ箸でたたいて音を出しどれをたたいたか当てさせるのも楽しいです。
五感あそび3「嗅覚あそび」
皮をむく前の果物、りんご、バナナ、キウイ、みかんなどを用意して遊ぶとよいです。目をつぶらせて「匂いだけで何の果物か当てられたら、食べられるよ」と言い、嗅がせます。
このとき、触って形がわかると『触覚あそび』になってしまうので注意。しっかり目を閉じさせ、本人に持たせないようお母さん・お父さんが鼻の近くに果物を持って行って嗅がせてあげましょう。『嗅覚あそび』は良い匂いのものだけにしておきましょう。
五感あそび4「味覚あそび」
口に入れる大きさがそろうように、あらかじめ何種類かの果物をそれぞれ1cm角または5mm角ぐらいの大きさにカットしておきます。目を閉じさせたままお子さんの口に入れ、味だけで何の果物か当てさせます。
お子さんが料理のお手伝いができるようになったら、だし汁の中にどんな調味料が入っているかという高度なクイズにもチャレンジしてみましょう。
五感あそび5「触覚あそび」
こんにゃくや豆腐などいろんな触感の食べ物を用意して見えないようにして触らせ、何か当ててもらいましょう。
また、くつ下とか、手袋、石けん、消しゴムなどの小物を一つずつ、布製のカバンの中に入れ、中を見ずに、さわっただけで、何か当てるのも楽しいです。
動画で見る『五感遊び(触覚)』
皮をむく前のりんご、バナナ、みかんを用意して、見えないようにして手で触って、それが何かを当てる『触覚遊び』の動画(約3分)もご覧ください。声掛けのポイントなどもご紹介しています。
いかがでしたか?
ぜひおうちで五感をたくさん刺激しながら、楽しく遊んでみてくださいね!
七田 厚/Ko Shichida