「伝えたいことがあるけれど、どうやって伝えればいいかわからない…」夫婦間でもこんな悩みをお持ちの方は結構いるのではないでしょうか?
このコラムでは心理学に基づいてパートナーシップを円滑にする方法をお伝えします!
『サイグラム』診断で、円満なパートナシップを
人の悩みのほとんどは○○関係
アドラー心理学を提唱したアルフレッド・アドラーは「人の悩みのほとんどは対人関係である」と言ったそうです。
同僚と、友人と、恋人と、家族と…人間関係の悩みはなぜ生まれてしまうのでしょうか。その原因は『手探りのコミュニケーション』にあります。
あなたは他人とコミュニケーションを取るときに「この人はこんな性格だから、こんな声がけをしてみよう」と普段から考えて言葉を選びますか?実際は、自分が投げかけた言葉に対する表情や返ってくる声のトーンから、なんとなく接し方を変えていく手探りのコミュニケーションをしている方がほとんどだと思います。
手探りのコミュケーションでは、自分が思っているような反応がなかったり、考え方の違いが見えたりしたときに「この人とは合わないな」「なんとなく苦手だな」と感じ、人間関係の悩みが生まれてしまいます。
行動分析心理学『サイグラム』とは?
では手探りではなく、何か目安を持って他人とのコミュニケーションをとるためにはどうすればよいのでしょうか?それには行動分析心理学『サイグラム』を活用するのがおすすめです。
『サイグラム』とはサイコロジー(心理学)とダイヤグラム(図式)の2つの単語を重ねた合成語で、個人の心理的図式という意味を持っています。
サイグラムの基礎にあるのは『能力心理学』と『分析心理学』という2つの心理学説です。これをコラボレーションさせて基礎理論を組み立てています。
能力心理学
知性・感情・意志という人の精神を構成する3つの要素。「人が意思決定する時の傾向」と仮定し、その傾向性を基本3グループに分類しています。
- F(フィーリング・グループ)
- A(アクティブ・グループ)
- M(マインド・グループ)
分析心理学
外向型・内向型という2つの人の心的エネルギーの方向性。「人の対人・環境対応の傾向」と仮定し、その傾向性を基本2派に分類しています。
- 楽観派
- 慎重派
『サイグラム』の分類
ここからは基本3グループと基本2派の特徴を説明します。ご自身やパートナーが、どのタイプに当てはまるのか予想してみてください。
サイグラム 基本3グループ
【Fグループ】の特徴
Fグループの人は周りの空気を読むため、何かを決める際「周りの人は、どうするんだろう」「自分の行動や決めたことに対して、周りの人はどう思うのだろう」という思いを持ちやすいです。
何かを決めるとき、その場の『雰囲気』やその時の『気分』を優先させるため「気が進むか、進まないか」がポイントになります。感情が大きなウエイトを占めるため、相手や状況によって決めたことが変わりやすいです。
ひらめきや直感を重視するため、極めて情緒的・感覚的な判断になりやすいです。
【Aグループ】の特徴
Aグループの人は「とりあえず動いてみよう!」という意識が強く働き、意思決定に至るまでのスピードが速いです。
行動力はずば抜けていますが、じっくり考えることをしないので、早とちりや思い込みが多いです。また、何よりも『効率』や『合理性』を重視するため、待たされることやタイミングが遅れることをとても嫌います。
自らの意志や意欲を優先させるため、独りよがりの判断に陥りやすいです。達成感を得たいがために頑張りますが、ときに強引な行動や無謀な判断をしやすいです。
【Mグループ】の特徴
Mグループの人は、意思決定に至るまで「どのようにすればスムーズにいくのか?」「筋道を立てて物事を考えられているか?」とにかく判断材料を集め、計画と事前準備に時間をかけます。
また『バランス』や『計画性』を重視するため、意思決定をするのは自分の頭の中で確実な見通しが立ったときになります。
理想や目標に対して独自のこだわりを見せるものの、むやみなエネルギーの消耗や無理は避け、現実を重視した合理的な判断をしやすいです。
サイグラム 基本2派
【楽観派】の特徴
対人対応において、周囲をあまり気に留めることもなく、マイペースな行動を取っていくのが楽観派の特徴です。
警戒心があまりないので、初対面の相手に対しても自分のことをオープンにします。また、コミュケーションを通じて、もっと自分のことを知ってもらいたいという気持ちがあります。
【慎重派】の特徴
対人対応において、周りの人と一定の距離をおきながら、一段ずつ階段を登るように堅実に進めていくのが慎重派の特徴です。
警戒心が強いので、相手のことが分かるまでは自分の心情はあまり表に出さずに付き合います。
まとめ
いかがでしたか。意思決定や対人関係の傾向からご自身やパートナーのタイプは分かりましたか?
次回はこの診断結果をもとに、パートナーに家事・育児を手伝ってほしい時の効果的な促し方をサイグラムのタイプ別にご紹介します。
近藤 慧/Kei Kondo
子育て診断士、ファイナンシャルプランナー、2児の娘のパパ。
24歳にして父親になるが、子どもとの接し方が分からず自分の未熟さを感じていた。そんな中「娘に好かれるパパになりたい!」との強い想いから子育て診断士の資格を取得。
学びを深める中で、子ども一人ひとりが違う特徴を持つことを理解し、今まで自分が『しつけ』だと思っていたことが『押しつけ』であったことに気づく。さらにパートナーに対しての理解も増し関係性がより向上した実体験から、この知識を広めるために活動中。
その他、ファイナンシャルプランナーとして、子育て世代を中心に、年間100件以上のお金の相談に対応している。