「お金の話」と聞くと、どうしても避けてしまう方もいるかもしれません。
そういった方でもこのコラムを通して、少しずつお金の存在を身近に感じ、そしてお金について知ることで人生が明るくなる方法をお伝えいたします。
前回のコラムでは、ママたちが自分らしくお金に向き合うための価値観についてお話ししました。
精神論的な部分もあったかもしれませんが、まずはお金についてニュートラルに考えてほしいという筆者の想いがあります。
第2回目の今回は人生の道しるべとなる『ライフプラン』について一緒に考えてみましょう!
目次
人生の道しるべ 『ライフプラン』を考えよう!
『ライフプラン』とは究極の現状把握
「人生の計画を立てる!」と意気込むと身構えてしまいそうですね。でも、そんなに難しく考える必要はありません。
簡単に言えば『ライフプラン』とは「どんな人生を送りたいか?」「今の生活で実現できるか?」を確認するものです。
もし、こんな質問をされたらどう答えますか?
- 何のために稼ぎますか?
- 何のために貯金しますか?
- 何のために資産運用していますか?
この目的が明確な人は、実はとても少ないです。ただ「なんとなく不安だから」「漠然と将来のために…」という理由の方がほとんどです。
その漠然とした不安を解消してくれるのが『ライフプラン』です。
『ライフプラン』と『マネープラン』の違い
『ライフプラン』と『マネープラン』、似たような言葉ですが意味は全然違います。
- ライフプラン
前述したとおり、やりたいことを叶えるための人生設計をし、その人生を歩むための現状を知る - マネープラン
どんな金融商品を選ぶか
考える順番が重要
まずライフプランを考えてから、マネープランを立てましょう。実際はマネープランを先に考えてしまう人が多いです。
例えば「子どもが生まれたら学資保険に入る」、「話題になっているからNISAやiDeCoをやってみる」など。これはマネープランが先行しています。
マネープランを先に考えてはいけない理由
ついついわかりやすいから、先に金融商品選びをしてしまいがちです。しかし、その商品は、本当に自分のやりたいことの実現に合った商品でしょうか?
分かりやすい例を見てみましょう。
- マネープラン先行型「車で行く」という手段を決めてから目的地を決める
- ライフプラン先行型「アメリカに行こう!」と目的地を決めてから手段を考える。
ライフプランを先に立てると、人生の目標やお金のかかる時期が明確になります。それに合わせて
- 無駄を削る
- 収入を増やす
- お金を増やす
という視点で金融商品を選びます。
アメリカに行きたいのに車ではいつまでたってもたどり着けませんよね。自分のライフプラン(目的地)に合ったマネープラン(手段)を考えることが重要です。
ライフプランの例
では、実際にライフプランを立ててみましょう。下のグラフのような世帯があります。
この世帯は子どもが二人。高校生と大学生になったときに貯金を使います。子どもの手が離れてから定年まではお金が貯まります。教育資金は貯金でまかなうので「老後に向けてメリットが大きい金融商品が向いている」と考えます。
あくまでこれは一例です。100世帯あればグラフは100通り。収入も違えば、仕事に対する考え方、お金をかけたいポイントも人それぞれ違います。
ワクワクする人生をイメージしよう
実際に書き出して、シンプルに考えることが大切です!手順は2つ。
1 希望を書き出す
- 年2回は旅行したい、5年に1回は海外へ行きたい
- 服にお金を使いたい、趣味にお金を使いたい
- この車に乗りたい
- 家を買いたい
- 子どもの教育はこうしたい
- 仕事を引退した後は地方移住したい
など、ざっくばらんに書き出してみましょう。
2 現状把握を書き出す
- 現在の収入と支出(いくら余る?いくら足りない?)
- 働き方(主婦、パート、正社員など)
など。
一度きりの人生を、ただ生きるのではなく「幸せに生きる」ために『ライフプラン』では、目指す人生と現在地の把握をします。
『ライフプラン』を作ってみよう
ご自身でできる簡単なライフプランの作り方を紹介します。下記のようなグラフを作ってみましょう。
- 家族の年齢を書きます。
子どもが二人いたら、上の子が18歳、下の子が22歳のパパとママの年齢を書きます。
(⇒ 上の子が大学に入学し、下の子が卒業するまで。教育費の負担が大きい時期です)
定年や退職したい時期をイメージして、年齢も書きましょう。
(⇒ 収入がいつまであるのかを考えます) - 年間の生活費を計算し、書き出します。
- 年間の住宅費用を計算し、書き出します。
- 娯楽(旅行や趣味)の年間予算を決めます。
- 車の買い替えや海外旅行などのスケジュールと予算を決めます。
- イメージで良いので教育費用を決めます。
- 世帯収入や退職金などを想定で良いので書き出します。
(グラフ内の青い線です)
大体のイメージでOK。自分たちが「何歳の時にたくさんお金が必要だな」と目で見てイメージできるようになることが大切です。
正確に把握したい方はしっかりとしたソフトで作ると良いですが、最初は手書きで十分。ぜひ試してみてください。
働き方を考えよう
ライフプランにおいて働き方も考えてみましょう。例えば「子どもが〇歳になったら働く」「パートから社員になる」「扶養内で働く」など。
ワクワクする人生を過ごすために、どんな働き方がいいのかをよく考え、人生の選択肢を増やせたらいいですね。収入が増えれば金銭面は楽になりますが、それで時間が無くなってしまっては幸せとは言えません。
時に立ち止まり、目指す家族の姿を見つけていくことが、理想の人生につながるのではないでしょうか。
ライフプランは人生の道しるべ
ライフプランは各家庭ごとで異なります。仲良しのママ友がやっていることが、自分に向いているとは限りません。
後から「あの時やっておけば…」とならないように、まずは現状把握から始めてみてはいかがでしょうか。自分だけのライフプランを考えて、理想的なワクワクする人生を目指しましょう!
次回コラムは2023年7月11日公開予定です。お楽しみに!
近藤 賢一/Kenichi Kondo
子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー事務所RAC代表。
『関わる全ての子育て世帯が、知らないことで損をしないため』に難しいお金の話を分かりやすくワクワク伝えるプロ。
年間100世帯以上の子育て世帯の家計相談や資産運用、住宅購入等ありとあらゆるお金の相談に対応。毎日配信される公式LINEは「無料で気軽にお金や制度、経済の情報を得ることができる!」と大好評。大人だけでなく子どもの金銭教育にも力を入れ、お金の大切さやお金の稼ぎ方を伝えるオンラインスクールも開講しています。
大学生のアメリカンフットボール部のコーチもしながら、明るく楽しく人生100年時代を生き抜く力をつけるための並走者として活動中です。
・ホームページ:ファイナンシャルプランナー事務所RAC