あなたは「子育てをしながら働きたい!」と思ったことはありますか?
この連載では、「働きたいママが安心して最初の一歩を踏み出せるように」という想いを込めて、ママが知っておきたい働き方とお金の最新情報、『就業支援』や『子育て支援』について、体験談を交えながら全4回にわたってお届けします。
第1回目は『ママが働くことは安心できる生活への第一歩!「教育費」「住居費」「老後資金」にいくらかかる?』というテーマでお伝えします。
『家計の3大支出』って何? いくらかかる?
ママが働く理由はご家庭によって様々だと思いますが、
「子どもの教育費を準備したい!」「マイホーム購入資金を貯めたい!」「老後の楽しみのために貯金したい!」
このように「教育費」「住居費」「老後資金」、いわゆる「家計の3大支出」について考えることが、ママが働くきっかけになったというご家庭も多いのではないでしょうか。
では実際に、「家計の3大支出」にいくらかかるのか見てみましょう。
教育費
まずは小学校入学から大学卒業までの教育費です。
今回は3つの進路を想定して、いくらかかるのか計算してみました。
1. 小学校から大学までオール国公立
小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計金額 |
約192万円 | 約147万円 | 約138万円 | 約244万円 | 約721万円 |
2. 小学校は公立、中学校から大学まで私立(文系)
小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計金額 |
約192万円 | 約423万円 | 約291万円 | 約399万円 | 約1,305万円 |
3. 小学校から高校まで公立、大学は私立(理系)
小学校 | 中学校 | 高校 | 大学 | 合計金額 |
約192万円 | 約147万円 | 約138万円 | 約541万円 | 約1,018万円 |
出典:文部科学省 「平成30年度子供の学習費調査の結果」
文部科学省 「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令 平成16年3月31日」
文部科学省 「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金 平均額(定員1人当たり)の調査結果」
をもとに【1】【2】【3】全て執筆者作成
上記金額は平均金額であるため、実際の教育費はお子さんの人数や進路、ご家庭の考え方によって異なります。
なお、この金額には大学受験費用や大学入学後の教科書代などは含まれていません。
また、学費支援制度を利用することができれば、教育費の負担を減らすことが可能です。
住宅費
次に住居費です。住宅種類別の平均購入価格は表のようになります。
1. 土地を購入した注文住宅
新築 | 建て替え | |
注文住宅 | 約4,615万円 | 約3,555万円 |
2. 戸建住宅及びマンション
分譲 | 中古 | |
戸建住宅 | 約3,851万円 | 約2,585万円 |
マンション | 約4,457万円 | 約2,746万円 |
出典:いずれも令和元年度 住宅動向調査報告書 令和2年3月(国土交通省住宅局)より執筆者作成
※なお、1は全国、2は三大都市圏として首都圏(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)・中京圏(岐阜県・愛知県・三重県)・近畿圏(京都府・大阪府・兵庫県)における調査結果
住宅購入資金として、「頭金を物件価格の2割程度用意しておきましょう!」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。実際には、「頭金+住宅購入にかかる諸費用+半年分の生活費」が用意できると安心です。
老後資金
最後に老後資金です。
令和元年簡易生命表によると、男性の平均寿命は81.41年、女性の平均寿命は 87.45年です。
金融庁のまとめによると、夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦の世帯では、夫婦2人共が無職の場合、毎月の生活費の不足金額は約54,000円です。あと30年生活すると考えると、不足する老後資金は約2,000万円になります。この金額はあくまでも平均であり、それぞれの世帯によって大きく異なります。
また、平均寿命よりも長く生きる場合、より多額のお金を用意しておく必要があります。
ここまでで「家計の3大支出」にいくらかかるのか見てきましたが、あくまでも現時点での平均金額であるため、増減する可能性があります。
「我が家は大丈夫そう!」と安心できましたか?
「こんなにかかるの?」と思われたでしょうか?
そこで、家計の不安を解消する手段の1つとして、ママが働くことで世帯収入を増やしている共働き家庭がどのくらいあるのか見てみましょう。
「共働き家庭」の世帯数は「専業主婦家庭」の約2倍
2019年の「共働き家庭」と「専業主婦家庭」の世帯数を比べてみると、「共働き家庭」が1,245万世帯、「専業主婦家庭」が582万世帯です。
「共働き家庭」の世帯数が「専業主婦家庭」の約2倍となっています。
第1子出産前後の女性の就業率を見てみると、育休を利用して働き続ける女性の割合は1990~1994年に8.1%、2010~2014年では28.3% と、約30年間で約3.5倍 に増えています。
第1子出産前後に女性が就業を継続する割合が53.1%となっていることからも、出産後にママが働き続ける家庭が多いと言えそうです。
このように共働き世帯が増えるにつれて、ママの働き方、仕事と子育ての両立など、ママの不安や悩み事も多種多様になっているのではないでしょうか。
※参考:「共同参画」2020年9月号(内閣府男女共同参画局)
「第1子出産前後の女性の継続就業率」及び 出産・育児と女性の就業状況について
「働きたい!」と思った時が働き時
筆者は結婚を機に専業主婦になりました。その後はパートで働き、妊娠を機に退職。出産後は「子どもが一番!自分のことは後回し。」という生活を送っていました。初めての子育てへの緊張や戸惑いから不安でいっぱいの時期もありましたが、「子どもや家族の将来のために働きたい!自分の夢や想いも実現したい!」という気持ちが大きくなり、子どもが幼稚園に入園してから、再びお仕事を始めました。
「ママが働くのか、働かないのか」
どちらの選択も正解で、「こうしないといけない!」という決まりはありません。
「働いた方がいいのかな」
「いつから、どんな風に働こうかな」
「子どものことはどうしたらいいのかな」
このように悩んだり迷ったりしているママの不安やモヤモヤを解消できるよう、次回からは、「就業支援」や「子育て支援」についてお伝えしていきます。
「働きたいな」「働いてみようかな」と思った時、ママが安心して最初の一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しく思います。
やまみち みき/Miki Yamamichi
マイライフエフピー®認定講師
マイライフエフピー®認定ライター
しあわせなくらし代表
兵庫県神戸市在住。幼稚園に通う子どもを育てながら、「女性のお金の専門家」として活動中。
「夢や好きなことを大切にして、幸せに暮らせるママがいっぱいの世界を作りたい!」という想いで、お金の不安やモヤモヤを解決するお手伝いを行っている。子育て中のママに向けて、身近なお金の情報を発信中。
公式HP:
しあわせなくらし