毎日休みなく家事や育児に追われているのに、「専業主婦は楽でいいよね」なんて言われて、ちょっと辛い気持ちになったことはありませんか?
また、「専業主婦の私が毎日やっている家事や育児って、本当はいくらの価値があるんだろう?」
ふと、そんな疑問を感じたことはありませんか?
実は、専業主婦の仕事を年収に換算すると、1,000万円以上の価値があると言われています。
このコラムでは、そんな専業主婦の日々の頑張りを「お金」という新しい視点で見つめ直し、あなたらしく前向きにお金と向き合うためのヒントをお伝えします。
第一回目は『ママたちが自分らしくお金に向き合う価値観について』です。
目次
専業主婦業は年収換算すると1,000万円以上! ママの本当の価値とは?
お金を稼がないことに関して劣等感をもつ専業主婦の方は少なくありません。
家計の中心となっているパパの収入から「お金をもらっている」という意識が、ママたちにはあるようです。ご自身に収入がないと考える分、自分のために使うお金は極力節約しようと考える方も少なくありません。
でも、よく考えてみてください。専業主婦の仕事の価値は0円なのでしょうか?

専業主婦の仕事は『名もなき家事』も含めると年収1,000万円!?
家庭内での仕事に対して、もし給料や報酬が発生するとしたら?その価値を考えたことはありますか?
ご飯を作る、洗濯をする、掃除をするという一般的に家事と呼ばれるものだけではなく、献立を考える、調味料やストック品を補充する、子どもの学校や幼稚園・保育園の準備、宿題を見る、ポストの不要なチラシの処分…という、いわゆる『名もなき家事』がたくさん。
家事だけでなく、育児も重なり、お子さんが小さいときは、ほっと一息入れる自分の時間もほとんどありませんよね。

2023年4月現在、東京都の最低賃金は1,072円ですが、その最低賃金ではバイトの採用も難しい時代です。
さらに、最近では家事代行サービスで時給1,500円~2,500円という求人を見かけます。ベビーシッターでは時給1,500円~3,000円くらいが多く、このことからも実際に、家事や育児は仕事として価値が認められていることがわかります。
専業主婦の仕事を年収換算するといくら?
家事や育児、前出したような『名もなき家事』、さらには家計管理やご近所付き合いまで、専業主婦の家事は幅広く多岐にわたります。
これを時給換算し、さらに年収にして考えると、専業主婦の価値が改めて見えてきます。
専業主婦の時給を2,000円として考えてみよう! 家事の価値を徹底検証

それでは仮に、専業主婦の時給を2,000円として考えてみましょう。
朝7時から活動し、すべての仕事を終えて23時に寝る。365日休みなんてありません。
すると、
- 2,000円×16時間×365日=1,168万円
なんと、専業主婦の年収は1,000万円以上なのです!これでも安いと筆者は思います。
無償で、これだけの仕事をしていることにママ自身も家族も気づいてください!
年収換算することで、専業主婦としての日々の仕事が非常に価値のあるもので、家族の日常生活に必要不可欠だとわかりますよね。
専業主婦の『家事』労働の価値と向き合う
社会では誰かの役に立ったとき、誰かに喜んでもらえたとき、対価としてお金を得ることができます。だから本来、家事の仕事は報酬を得るべきです。絶対に家族みんなの役に立っていますから。
とはいえ、その時給を誰に払ってもらえるのか、となると、現実問題は難しいです。
ただ、少しでも『家事』という仕事に価値を感じ、そして生活費を受け取るにしても、しっかりと対価を受け取っているんだと感じてもらえたら嬉しく思います。
まずはあなた自身が、自分の労働に価値があると認めることが、お金や将来に前向きに向き合う第一歩です。
専業主婦が収入を意識して自分らしくお金と向き合うために大切なこと
専業主婦の年収は決してゼロではありません。
むしろ、1,000万円以上の価値がある立派な仕事です。
現代の社会では、ライフスタイルに合わせて働き方は変えやすい時代となりました。
だからこそ専業主婦として働いてきた「価値」を、ご自身のライフスタイルの変化に合わせて「お金」という対価へ変化させていくことも考えてみてください。
「子どもが幼稚園に通い始めたから」「扶養の範囲内で」など、できる範囲を考えて仕事を探してみることもいいでしょう。家事や育児以外にも、社会に貢献することでポジティブになれる方であればなおさらです。
自分のためにも仕事をして収入を得ることは良いことです。自分らしくお金と向き合うためにも、働くことはプラスになります。
そして家計を支えるようになれば、しっかりと胸を張って『家事』という仕事の分担も家族でしていってみてください。
今回の記事が、専業主婦としての日々の頑張りを再認識し、自分らしく前向きにお金と向き合うきっかけになれば嬉しいです。
今回は精神論的なお話が多くなりましたが、次回コラムでは実際に家族でのお金を見る際に、まず考えるべきライフプランについてお伝えします。お楽しみに!

近藤 賢一/Kenichi Kondo
子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー事務所RAC代表。
『関わる全ての子育て世帯が、知らないことで損をしないため』に難しいお金の話を分かりやすくワクワク伝えるプロ。
年間100世帯以上の子育て世帯の家計相談や資産運用、住宅購入等ありとあらゆるお金の相談に対応。毎日配信される公式LINEは「無料で気軽にお金や制度、経済の情報を得ることができる!」と大好評。大人だけでなく子どもの金銭教育にも力を入れ、お金の大切さやお金の稼ぎ方を伝えるオンラインスクールも開講しています。
大学生のアメリカンフットボール部のコーチもしながら、明るく楽しく人生100年時代を生き抜く力をつけるための並走者として活動中です。