「結婚・出産して、自分だけが人生を犠牲にしていることに不満を感じている」「家事や育児に協力してくれないパートナーにイライラする」…パートナーに対してこのような思いを持っていませんか?
私は、パートナーシップの改善こそ、あなたがあなたらしく生きるための全ての鍵になっていると考えています。そして、些細な気付きや行動で、その関係性は大きく変化します。
では、具体的にどうすればよいのか、今回のコラムではパートナーシップをより良くするための3つのポイントは、次の通り。
- 自分とパートナーは価値観が違うことを意識する
- 自分とパートナーは才能・長所が違うことを意識する
- パートナーとお互いの気持ちを伝えあう
では、詳しく解説していきます。
パートナーに不満!を改善する3つのポイント
結婚・出産を機に、生き方や働き方が変わる女性は多いと思います。
まだまだ「子育ては女性の仕事」という感覚が根強い日本の社会状況。男性よりは女性がキャリアを諦めなくてはならないことが多いのが実情です。
筆者は産後「私は自分を犠牲にしているのに…」という気持ちでいたため、夫に対する言動も嫌味っぽくなってしまい、後で反省するという日々を過ごしていました。
最近『出生時育児休業(男性版産休)』を新たに設ける改正育児・介護休業法が成立したため、男性が育休を取得しやすくなることが期待されます。しかし、社会全体の仕組みや風潮を変えることは難しく、時間がかかるでしょう。
では、私たちがすぐにできることは何でしょうか?それは、自分がコントロールできる範囲から変えていくことです。
1. 自分とパートナーは価値観が違うことを意識する
まず大切なのは、自分と相手の価値観は違うことを意識すること。そして、相手を変えようとしないことです。
また、気をつけなければならないのは、自分ルールの押しつけをしていないかという点です。
以前の私は、夫が洗濯物を畳んでくれた時「なんでこんな畳み方するかなぁ…」とイライラしていました。収納しやすくするため、畳み方に自分のこだわりがあったのです。
夫にしてみれば、良かれと思って家事をしたのに、文句を言われて最悪ですよね。
この場合、畳み方にこだわる理由を事前に伝えておけば、夫も分かってくれたかもしれません。もしくは「それは難しいから、代わりにお皿洗いをするね」などの提案をしてくれるかもしれません。
価値観から生まれる自分ルールは、他にも色々ありそうですよね。例えば私は、夫が電気をこまめに消さないことや、玄関の鍵をかけないことに、よくイライラしていました。
自分の価値観は、親の言動や育ってきた環境からも影響を受けているため、それぞれで違うのは当然です。そんな価値観の違う人同士が一緒に生活していくのですから、お互いの気持ちを理解し合う努力が必要です。
2. 自分とパートナーは才能・長所が違うことを意識する
私たちは『自分が簡単にできること』をできない人を見ると、「なんでそんなこともできないの!?」と無意識にイラッとしてしまうことが多いものです。
例えば、あなたが職場ですごく気の利く人だとしたら、つい自分のレベルを周りにも期待し「それくらい考えてよ。気が利かないなぁ」と思うことが多いかもしれません。もしくは、あなたが人前で話すのが得意な人なら、プレゼンをしている同僚を見て、改善点ばかりが目に付くかもしれません。
家事や育児でも同じ。
私たちも初めは、おむつ替えをするだけであたふたしたり、ミルクをあげるだけでも時間がかかったりしていたと思います。そしてコツを見つけてスムーズにできるようになった今、パートナーのやり方が気になってしまうのではないでしょうか。
このような時は「夫は今成長中なんだな」「私はいつの間にかこんなにうまくできるようになったんだな」と自分の成長に目を向け、自分を褒めてあげるとイライラしにくいかもしれません。
また、パートナーの得意なことを見つけてお願いするのもよいと思います。
3. パートナーとお互いの気持ちを伝えあう
「どのような子育てをしていきたいか」や「仕事と家庭のバランスをどのようにしていきたいか」など、自分の希望や将来の話を夫婦でしますか?
パートナーシップのお悩みを持つ方とお話していると「自分の気持ちを伝えても分かってないので諦めている」という方が多い印象です。また、伝えているつもりになっていたけれど本質が伝わっていないことがあります。
筆者は以前「ワンオペ育児で特にお風呂が大変だから、早く帰ってきてほしい」と夫に伝えていました。そこで夫は「子どもをお風呂に入れるために一旦帰宅して、また会社に行く」という提案をしてくれました。
しかし、それも大変だろうと思い、よくよく話し合ってみると、早朝から夕方までの勤務にできるフレックス制度があることが分かったのです。
夫は「子どもを保育園に連れて行くために、朝も自分がいた方がよいだろう」とその選択肢は排除していたらしいのですが、私としては「朝はいなくてもよいので、早く帰宅してくれた方がありがたい」という認識のズレが発覚した瞬間でした。
今ではワンオペ育児の負担が激減し、あの時しっかり話し合ってよかったと思っています。
『伝えたつもり』ではだめで、『相手に「伝わったこと」が、「伝えたこと」』なのです。
まとめ
今回のコラムでは、パートナーに不満を感じたら自分にコントロールできる範囲から変えていくことが大切であることをお伝えしました。3つのポイントを意識すると、パートナーへのイライラやすれ違いが減ってくるはずです。
- 自分とパートナーは価値観が違うことを意識する
- 自分とパートナーは才能・長所が違うことを意識する
- パートナーとお互いの気持ちを伝えあう
毎日頑張っていると「もっと感謝してほしい」と思ってしまいがちですが、まずは自分からパートナーに感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
口に出さなくても、パートナーにだって大変なことや頑張っていることがあるはず。お互いを尊重し「ありがとう」で溢れる家庭になるといいですね。
岩谷 けいこ/ Keiko Iwatani
トラストコーチングスクール(TCS)認定コーチ
マザーズコーチングスクール認定ティーチャー
パートナーアソシエイツ協会認定パートナーシップコーチ
製薬会社にて8年間治験を担当。組織風土改革の実行委員として、風通しの良い職場作りや生産性向上に取り組む。
職場の人間関係や、結婚・出産後の働き方の悩みをきっかけにコーチングを学ぶ。職場や夫婦の関係がよくなり、自分の思いも明確になったため、仕事も家庭も大切にしながら進めるように。
現在はコーチとして、「すべての女性が 自分らしさ・才能・魅力を発揮し、大切な人とより良い関係を築きながら、イキイキと活躍できる社会を作る」というVisionのもと活動中。働き方・キャリア、子育て、夫婦関係、職場の人間関係、部下育成などの悩みをコーチングで支援している。
3歳・1歳男児の母、転勤族の妻。