パパの育休制度とは? 夫婦で理想的な『家事・育児のシェア』/私らしいキャリアとワーク・ライフ・バランス vol.1

男性 育児 お役立ちコラム

ママになると小さな命を守る責任感や使命感が高まります。同時に睡眠不足が続き、慢性疲労が蓄積しやすく情緒不安定になりがち。イライラしたり、些細なことで悲しくなってしまったり…。

そんな時期にパートナーが寄り添ってくれたら「2人で共に子育てをしている」意識が増し、夫婦の関係性も良くなることでしょう。

このコラムでは、新しく改定された育児・介護休業法を活用して、家族みんなが理想的なワークライフ・バランスを描けるヒントをお伝えします!

 

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夫婦で理想的な『家事・育児のシェア』について考えよう

パパの育休制度にはどんなものがある?

『育児休業法(現・育児・介護休業法)』が1991年に制定されてから約30年が経過しました。男性の育児休業取得率は増加しつつあるものの、2021年で13.97%と、女性の取得率85.1%に比べ大差があります。

育児休業法 育休 取得率 グラフ 男女

政府は2025年に男性の30%取得率達成を目指し、2022年4月『改正育児・介護休業法』が施行されました。

 

『改正育児・介護休業法』はこれまでと何が違う?

改正育児・介護休業法では、育児休業を取得しやすい雇用環境の整備および、本人または配偶者の妊娠・出産の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置の実施が企業に義務付けられました。また、有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和が行われました。

そして、2022年10月からは出生直後の柔軟な育児休業の枠組み『産後パパ育休(出生時育児休業)』の創設や育児休業の分割取得、夫婦間での交代取得も可能となり、男性の育児休業取得を後押ししています。パパ育休 育児・介護休業法 改正 スケジュール

 

『産後パパ育休(出生時育児休業)』とは?

『産後パパ育休(出生時育児休業)』とは、産後休業をしていない労働者(つまりママではなくパパ)が、出生後8週間以内の子を養育するための休業です。

休業を希望する2週間前までに申し出をし、子の出生後8週間以内に4週間(28日)まで、分割して2回取得が可能です。また、分割取得をするときは、初めにまとめて申出をする必要があります。

産後パパ育休中は労働者は就業しないことが原則ですが、労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能です。ただ、休業中の就業日数等次第では、育児休業給付や社会保険料免除の要件を満たすことができなくなる可能性があるので注意が必要です。

 

『育児休業の分割取得』とは?

2022年10月1日から、子が1歳までに、育児休業を分割して2回取得することができるようになりました。先述した『産後パパ育休』とは別で2回取得が可能ですので、子が1歳になるまでに合計4回までの育児休業取得が可能になりました。
(『産後パパ育休』を分割して取得する場合は初めにまとめて申出をする必要がありますが、通常の育児休業を分割して取得する場合は、まとめて申し出る必要はありません。)

また、1歳以降の育児休業については、従前と比べて育児休業の開始日が、1歳6か月および2歳までの間と柔軟化しました。これにより、1歳以降の育児休業期間の途中に、夫婦で交替して休業することが可能になります。

少子高齢化が進む日本ですが、出産・育児等による労働者の離職を防ぎ、復職や転職がしやすく、各々の希望に応じて、安心して男女ともに仕事と育児等を両立できる枠組みができました。

パパ育休 育児・介護休業法 改正 スケジュール(参考:「厚生労働省「育児・介護休業法令和3年(2021年)改正内容の解説 」)

 

パートナーと役割分担について話合おう!

パートナーに『産後パパ育休(出生時育児休業)』や育児休業の分割取得を利用してもらうことは、産後の女性の体の変化や育児の大変さを理解してもらえる良いきっかけになります。

これを機にパートナーに「できることはやる」「家事・育児のシェアを当たり前にする」「復職後も家事・育児のシェアを継続していく」意識が生まれるとさらに良いですね。

ただの『取るだけ育休』にならないように夫婦間で「家事・育児をどうシェアするか」「何をやって欲しいか」を事前に話し合っておきましょう

筆者の住む大阪市では、家事・育児等を男女が共に担うべき共通の課題として捉え『家事・育児シェアシート』というツールを公開しています。このシートを使って、パートナー円満なシェアのかたちを見つけるのもおすすめです。「家事・育児ってこんなにあるの!?」と驚きますよ。

家事 育児 分担 チェック シート ライフワークバランス(資料出所:大阪市 男女共同参画の取組み

 

円満なコミュニケーションを大切に

分担したからといってやるのが当たり前だとは考えず、お互いに感謝の気持ちをしっかり言葉で伝えるようにましょう。「ありがとう!」「助かるわ」「やってくれて嬉しい」こんな言葉が飛び交い、リスペクトし合える関係性が理想ですね。パートナーシップ 夫婦

パートナーがどう家事・育児に参画するかで、家族の在り方は変わってきます。任せると決めたことにはあれこれ口出しをしないことも円満なシェアには重要です。

自分たちでできないことは外注したり、ある程度大きくなれば子どもにも役割を持たせたりしましょう。良好な家族間パートナーシップで理想のキャリアに近づけるはず。

家族も一つのチーム!うまくチームビルディングをして家族という組織をより良いものにしていきましょう!キャリア ライフワークバランス

 

まとめ

今回ご紹介した育児休業の他にも、企業には様々な独自制度が用意されている場合もあります。よく調べてしっかり活用し、ご自身のキャリア構築に活かしていきましょう。

男性向け制度が充実している会社では、女性も働きやすい傾向にあります。社員、そしてその家族のライフイベントや日常のことをしっかり考えてくれる企業だと、しなやかに自分自身のキャリアを歩むことができるはずです。

次回コラムは2023年6月28日公開予定です。お楽しみに!

 

(文)
鵜飼 千登静/Chitose Ukai

夢叶いJALの客室乗務員として国内線・国際線に乗務。その後、結婚、妊娠。しかし、育児休職中にまさかのJAL破綻。思いもよらぬ形で早期退職というつらい選択を余儀なくされる。

キャリアが途切れる不安から、娘1歳半より講師としてセカンドキャリアを築くが、小さい我が子を抱えての社会復帰に心身ともに限界に近づき、ひとり働き方改革!

現在はフリーランスの講師×キャリアコンサルタントとして、行政セミナー、企業研修、教育機関(高校・専門学校・大学)講義、就職・キャリアアップ支援など人材育成をメインとする。一人ひとりの個性や現在の状況と課題に着眼し、その方が描く未来に近づけるようファシリテーターとしての役割で人を導く。

・ホームページ Career Path Design

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