小川 圭子(おがわ けいこ)さん
兵庫県在住。夫、長女(2歳)の3人家族。
国際助産師として、アフリカやアジアで約10年勤務。その経験を生かし、講演・講義・執筆活動・育児相談などを行う。夫が経営する訪問看護・介護、デイサービス等を担う法人でも、看護師として関わっている。
1年半前から『赤ちゃん先生プロジェクト』に参加し、学校・高齢者施設・企業に母子で訪問。触れ合いや育児体験などの機会を提供している。
目次
子連れで何でも挑戦する! 温かい周囲に支えられて
不妊治療や不安を乗り越えて始めたこと
私は2008年に結婚し、その年に助産院を開業しました。
2014年からは不妊治療を開始。子どもを授かる1年前の2017年に、今まで行っていた仕事を一旦すべて手放しました。
当時は助産師業、夫の経営する会社の訪問看護、大学や大学院の専任講師、その他にも講演活動など、たくさんの仕事をしていました。そんな自分を、ただただ解き放ちたくなったのです。
子どもを授かる保証も全くない中、大好きな海外旅行へ。世界を自由に飛び回る1年を過ごした後、奇跡的に妊娠・出産させていただきました。
すべての仕事を辞めてしまったので、産後は自分でも「これから一体どうするのだろう?」と全く予測ができませんでした。
生後2か月の子どもの育児をしながら仕事復帰へ
産後しばらくは身体中が悲鳴をあげているような日々。慣れない子育てで手は腱鞘炎になり、足は支えがないと立ち上がれず、肩も腰も痛い…。
そんな中「不妊治療の経験と出産の話をして欲しい」と講演会の依頼をいただき、それが仕事復帰の第一弾となりました。娘が生後2ヵ月の頃です。
講演は準備に時間をとられます。以前なら徹夜してでも一気に資料を作り上げることができましたが、子どもがいるとそういう訳にはいきません。
授乳や育児をして子どもとの時間を大切にしつつも、子どもが寝ているほんの数時間ずつを細切れに利用し、自分の睡眠時間を削ってパソコンに向かい、何日もかけて講演の準備を行いました。
講演会は子連れOKだったので夫も娘と一緒に参加。友達もたくさん来てくれて、みんなが娘を抱っこしてくれる温かい雰囲気の中、リラックスして自分の体験談を話すことができました。
生後8か月で初めての子連れ出張!
また、娘が生後8カ月でまだ授乳中の時、福岡県内の高校から講演依頼があり、前泊が必要な中一緒に連れていくことにしました。
とはいえ、初めての子連れ出張は今までとは違い、新幹線か飛行機かという移動手段の選択から始まり、赤ちゃん連れでも心地よく泊まれるホテルの検索、講演中の一時保育をお願いする場所や方法を調べて予約、そしてホテルから講演会場への移動手段や時間など、考えなくてはいけないことが山積み状態。
予測できないことも多く、色々なことを事前に調べ、とにかく綿密に計画し手配しておく必要がありました。
一番気がかりだった娘ですが、ベビーシッターさんと終始穏やかに過ごしていたようです。
たくさんの人の助けを借り、準備をきちんと行うことで、無事子連れ出張を終えられました。
出張先から最寄りの空港に着くと夫が迎えに来てくれていて、顔を見てものすごく「ほっ」としたのを今でもよく覚えています。
周囲の理解に支えられて
仕事の形態上、職場は毎回変わります。子どもと一緒に仕事をする際は、子どものお昼寝や食事時間のタイミングを可能な限り調整し、訪問先で寝てしまったり機嫌が悪くなったりしないように、おやつやおもちゃを持参し工夫をしています。
また、『赤ちゃん先生プロジェクト』では「ありのままの赤ちゃん」を見て感じてもらうことが醍醐味でもあるので、子どもが寝てしまおうが機嫌が悪かろうが、すべて皆さん一緒に温かく見守って下さるのでとても助かっています。
保育園の行事は事前に分かっているので、それに合わせて休みをとり予定を入れないように調整しています。
夫の協力あってこそ 子どもの気持ちも代弁して伝える
ありがたいことに夫は私の仕事への理解や協力もあり、時間のあるときには子育てもよく手伝ってくれます。そのおかげで娘もパパが大好きです。
夫も自分で事業をしています。私の予定を事前に伝えておくことで時間を調整してくれ育児に協力してくれます。子どもと過ごす時間も楽しいようです。
いつも「どうもありがとう」や「パパのおかげで助かったわ」という感謝や嬉しい気持ちを素直に伝えるようにしています。
まだ十分に会話ができない娘の気持ちを代弁し「パパの事大好きなんだね」「パパに遊んでもらって嬉しいね」といった娘目線の言葉かけも行うように工夫しています。
自分の経験が誰かの心へ響く喜び
自分の体験や学んできたことを誰かにお伝えしたり、親子で一緒にお仕事をさせてもらえたりすることは、とてもありがたいです。
話を聴いてくれた、私と関わってくれた皆さんから、たくさんの感想をいただきます。
誰かの心に興味関心・希望・学び・充実感・感動・きっかけなど、何かしらの変化があったのだとすれば、とても嬉しいです。
生徒さんや利用者さんたちが、娘のありのままの姿すべてに「可愛い」と温かいまなざしを向けて接してくださるのが本当に心地よく「日本の社会全体がお互いにいつもこんな雰囲気であれば幸せだなぁ」と、理想の世界を感じています。
これからも、今しかない娘との時間を最大限大切にしつつ、私自身の体験や学んできたことが誰かの役に立てるよう貢献していきたいです。
これから働きたいあなたへ
やりたいと思ったことは、仕事に限らずなんでも一歩踏み出してみるといいと思います。
踏み出してから、不安や問題があればどうすればいいか考え、調整していけばよいのではないでしょうか。
一度きりの人生です。とにかくまず何かアクションされる事をおススメします。それによって現状が変化し、応援してくれる人が増え、やりたいことが実現していくことでしょうね!
一日のスケジュール
6:30 | 起床、パソコン作業 |
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8:00 | 身支度 |
8:15 | 保育園見送り |
9:00 | 買い物、掃除、夕食準備 |
10:00 | 仕事 |
12:00 | 昼食 |
13:00 | 仕事 |
17:30 | 保育園お迎え |
18:00 | 授乳、子どもとのラブラブタイム |
18:30 | 夕食 |
19:30 | 入浴 |
20:30 | 夕食片付け、洗濯 |
21:00 | 寝かしつけ |
22:00 | 自由時間 |
24:00 | 就寝 |