8月のお盆休み。帰省したり、旅行へ出かけたり、お墓参りへ足を運ぶ方もきっと多いはず。あなたの家にはお盆に何か決まった風習がありますか?
嬉しいことや楽しいことが重なったとき、もしくは忙しいときに「盆と正月が一緒にきたよう」と表現することもありますが、お盆とは本来どのような行事なのでしょうか?
今回は『お盆』にまつわるエトセトラをお伝えします!
目次
お盆の伝統的な風習や起源、本来の意味や過ごし方を解説
お盆の風習 『草刈り』や『迎え火・送り火』をする
お盆の行事内容は日本各地で様々。必ずしも決まったものはありませんが、全国に広まっている風習をいくつかご紹介しましょう。
お盆の前に草刈りをしよう
なぜ、お盆の前に草刈りをするのか理由を知っていますか?
8月1日を釜蓋朔日(かまぶたついたち)と言い、地獄の釜の蓋が開く日とされています。
この日を境にお墓参りをするなど、お墓や家の周りを綺麗にしてご先祖様をお迎えする準備を始めるためです。
地域によっては、草刈りをして故人の霊が通りやすいようにするそうです。
お盆の前に草刈りをして、ご先祖様の霊や、家に訪れる親戚や友人を整った環境で迎えるようにしましょう。
送り火、灯篭流し
京都の『五山の送り火』が有名で、ニュースなどで観たことがある方も多いのではないでしょうか?
13日夕刻の野火を迎え火(むかえび)、16日の野火を送り火(おくりび)と呼びます。 15日に送り火を行う地域も多いです。火を焚くのには、「ご先祖様が道に迷わないように」との願いが込められています。
13日迎え火以降、精霊棚の故人へ色々なお供え物をします。 地域によっては『留守参り』と言って、故人がいないお墓へおもむき掃除をします。
また、川へ火を送る風習が『灯籠流し』にあたります。山や川へ火を送るのは、故人の霊が山や川に居るという信仰に基づいています。
お盆のイベント 盆踊りや精霊馬を飾ろう
盆踊り
お盆と言えば、盆踊りを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
盆踊りのルーツは、地獄での受苦を免れた亡者たちが喜んで踊る状態を模した踊りとも、ご先祖様の霊をなぐさめるための念仏踊りとも言われています。そこに豊作祈願や、庶民の娯楽としての要素が加わり、地域でさまざまな形式の盆踊りに発展したそうです。
盆踊りは元来16日の晩に行われていたとされています。もともとのお盆だった旧暦7月15日は十五夜、翌16日は十六夜なので、どちらかの日は満月。晴れていれば晩は月明かりで明るく、夜通し踊ることができたのでしょう。
近年では宗教性を帯びず、開催日も様々。夏祭りの一環として各地で開催されています。
精霊馬を飾る
お盆の期間中には、故人の霊魂がこの世とあの世を行き来するための乗り物として、精霊馬(しょうりょううま)を飾る地域もあります。キュウリやナスにマッチ棒や折った割り箸などを足に見立てて差し込み、仏壇まわりに供えられます。
キュウリは馬、ナスは牛を表現し「来るときは馬で早く、戻るときは牛のようにゆっくり帰っていってほしい」との願いが込められています。ナスの牛にはたくさんの供物を一緒に乗せてあの世へ持ち帰ってもらうという意味もあるそうです。
お盆の起源
お盆とは祖先の霊を祀る一連の行事のことを指します。お盆になったらお墓参りをしますよね。『盆』とは文字どおり、霊に対する供物を置く容器を意味しています。
お盆の明確な起源は、実は分かっていません。もともとは1年に2回、初春と初秋の満月の日に祖先の霊が子孫のもとを訪れて交流する行事があり、初春のものが正月、初秋のものがお盆として現代に残った説が有力です。
日本では8世紀頃には、夏に祖先供養を行う風習が確立されたと考えられています。
8世紀といえば平安時代。紫式部や清少納言も私たちと同じようにお盆を迎えていたのかもしれませんね。
お盆の期間はいつからいつまで?
お盆の期間は、地域によって異なります。
一般的には、8月13日~16日の4日間(8月盆)ですが、東京をはじめとする一部地域では、7月13日~16日の4日間(7月盆)で行われます。
地域別のお盆期間
- 8月13日~16日(8月盆/旧盆/月遅れ盆)…全国で一般的なお盆の期間(一部地域を除く)
- 7月13日~16日(7月盆/新盆)…東京都、神奈川県、石川県、静岡県の各一部地域
- 7月31日〜8月2日…東京都多摩地区の一部地域
- 8月中旬~9月上旬…沖縄県
お盆は本当は8月じゃなかった!
お盆といえば、一般的に8月13~16日を指しますが、かつては7月15日を中心とした期間を指していました。
明治期に現在の太陽暦を採用したところ、新暦の7月15日は農繁期と重なり支障が出る地域が多かったため、1ヶ月遅らせた8月15日をお盆とする地域が多くなったのです。
初盆 故人様の魂を供養しよう
初盆・新盆
四十九日法要が終わってから最初に迎えるお盆を初盆(はつぼん、ういぼん)または新盆(しんぼん、にいぼん、あらぼん)と呼び、特に厚く供養する風習があります。
地方によって異なりますが、初盆の家には門口や仏壇やお墓に白一色の盆提灯を立てたり、初盆の家の人にそういった提灯を贈ったりします。
お盆にまつわるエトセトラ
毎年迎えているお盆について、あなたはどのくらい知っていましたか?
これからの季節、家族での旅行や帰省の移動中などに、ぜひお子さまとお盆の起源や風習などをお話ししてみてくださいね。
<参考>
◆林陽寺 > お盆ってナアニ?
◆じゃらんニュース【お盆とは】時期はいつ?何をする?地域による違いや過ごし方などわかりやすく解説
◆雑学ネタ帳 > 月遅れ盆
◆ベスト仏壇 > 仏壇・位牌・仏具の知識 > お盆になすときゅうりを飾る牛、馬の意味って何?精霊馬の作り方は?