「あなたは今日、イライラしましたか?」
この質問に対して、「うんうん!」とうなずく人が大半だと思います。
イライラの大小は別として、自分の思い通りにいかなかった事で多少なりともの苛立ちを感じてしまった経験はあるのではないでしょうか。
そんな苛立ちや不安を抱えて、感情を切り替えられずに周りの人やモノに八つ当たりをしたり、不機嫌そうな態度を取ってしまったり。
しかし、冷静になった時に、後悔する人も多いのではないでしょうか。
人間関係や仕事にも影響を与えかねない、怒りの感情。
そんな、怒りと上手に付き合っていく為のトレーニングとして、『アンガーマネジメント』をご紹介します。
誰でも出来る、怒りと上手に付き合う魔法のテクニック
怒りのメカニズム
それでは皆さんに質問です。
一番最近怒った時、イライラした時を少し思い出してみましょう。
では次に、その怒りの原因は、「誰か」または、「出来事」が原因なのでしょうか。
答えは、どちらも 「ノー」 です。
怒りの本当の原因は、相手でも、そのシチュエーションでもありません。
私たちは、自分がこれまでに大切にしてきた、自分の中にあった「〇〇すべき」という、価値観や理想を裏切られた時、それが怒りになります。
更に、不安やマイナスの感情や思いがある人ほど、怒りのエネルギーが強くなります。
例えば、「子どもは親の言うことを素直に聞くべきだ。」という、理想を持っている人がいたら、子どもが言うことを聞かなかったら、怒りが発生するでしょう。
また、「待ち合わせは5分前が常識だ!」という考えの人は、相手が集合時間に3分遅刻したら、苛立ちを覚えるでしょう。
このように、自分の中の理想が裏切られた時に、怒りが発生してしまいます。
しかし、ここで考えなければならないのは、自分の常識は、相手にとっても同じ常識なのでしょうか。
子どもと親は全く同じ価値観の中で生活をしているのでしょうか。
同じ人間でも、育った環境や出会ってきた人、更には人格が違います。
あなたの常識が、相手と一緒とは限りません。
それを理解することが、アンガーマネジメントの第一歩になります。
怒ることはいけないことなの?
講座を開くと、たまに受講者からこんな質問が来ます。
「アンガーマネジメトをすると、怒らなくなるのですか?」
このような疑問を持っている方もいらっしゃると思います。
しかし、アンガーマネジメントは、怒らなくなるわけではありません。
アンガー=怒り
マネジメント=後悔しないこと
と定義付けています。
つまり、怒る必要のあることは怒り、怒る必要のないことは怒らなくなることです。
例えば、
子どもが道路に飛び出した時。
「危ない!」と大きい声で伝え、何故危ないのかを、しっかり言う。
これは、怒る必要のあることです。
部下が会社全体の業績にも影響を与えかねないミスをしそうになった時、またはしてしまった時、上司の立場のあなたは、部下が同じ過ちを犯さないようにしっかり伝えなければなりません。
ポイントは、自分の感情だけで伝えてしまうのではなく、「怒っても(叱っても)、後悔しないかどうか。」
そして大切なのは、「なぜならば」をセットにし、理由をしっかり伝えることなのです。
アンガーマネジメントテクニック 『6秒ルール』
では、ここで上手に怒りをコントロール出来るようになるテクニックの一つをご紹介します。
アンガーマネジメトの定義の中で、一番してはいけないのは、「反射」です。
相手が苛立つことを言ってきた時、反射的に言い返したり、モノに当たったりしてしまうと、お互いヒートアップをしかねません。
そんな負の連鎖を自分主導で抜け出す為には、『6秒ルール』をオススメします。
怒りを感じたら、6秒待って、怒りを鎮めましょう。
人は、6秒間で理性が介入すると言われています。
怒りを点数化 〜6秒やりすごす為に〜
怒りの発生から6秒の間に、自分の怒りを点数化します。
平穏な状態を0として、人生最大の怒りを10にした時に、「今の怒りは、何点かな?」と、心の中で数値化してみましょう。
「今、怒るべきか怒らないべきか」のを選択できるようになります。
怒りを点数化することによって、自分の感情を客観視出来るようになります。
その他にも、アンガーマネジメントのテクニックがありますので、次のコラムでご紹介していきます。
怒りのコントロールは、決して難しいことではありません。練習すれば誰でも出来ます。
今日から実践をして、日常生活に落とし込み、皆さんの人生が、更に自分らしい日々を送れるように、アンガーマネジメトを取り入れてみてくださいね。
片岡 まこ/Mako Kataoka
ウェルビーイングディレクター
文化服装学院 非常勤講師 「ウェルビーイング・プログラム」
AMFT アンガーマネジメトファシリテーター
ナショナルアンガーマネジメト認定 NAME Certified Anger Management Specialist- I
ヨガインストラクター マタニティピラティスインストラクター
フィットネスモデル
東京タワーメインデッキ貸切“ASAYOGA”プロデューサー
10代の頃から、ミュージカルや舞台に出演し、2014年ミス・アースジャパンファイナリスト、2015年ミスインターナショナルファイナリストの経験の際に心身共に体調を崩したことをきっかけに、心と身体の豊かさを大切にしている。
一部上場企業でウェルネス事業部を立ち上げ、様々な企業の健康経営に7年間携わる。
独立後も、企業のウェビナーや講演会、学校法人などで登壇し、
ウェルビーイングの考え方を軸として、アンガーマネジメントやコーチングの要素を取り入れながら、“自分らしい生き方を見つけること”をテーマに活動行っている。
また、2015年から現在まで、東京タワー大展望台貸切ASAYOGAのプロデューサー兼ヨガインストラクターとして述べ6000名以上指導。
ヨガウェアのプロデュースや、フィットネスモデル、ライター、イベントプロデューサーとして、多岐に渡り活動をしている。
保護犬のハルコと、保護猫のレイコを引き取り、保護活動にも取り組んでいる。
不妊治療を経て、2022年1月、第一子出産予定。