子どもの歯のケアで、フッ素入りの歯みがき粉の使用時期やフッ素塗布の時期、どうしようか悩んでしまいますね。
フッ素を最大限に活かすためには、その時期に最も適しているフッ素濃度(ppm)を適量使用することが大切です。
今回のコラムでは、子どもの健康な歯のために歯みがき粉とフッ素の使用時期や使用量についてお伝えします。
子どもの年齢や体重に応じてフッ素の最適濃度が変わるため、適切に使用しましょう!
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
目次
フッ素を取り入れる方法と時期
フッ素を取り入れる方法としては、
- 歯医者さんで塗ってもらう方法
- ホームケア用の歯みがきジェルタイプでお家で塗る方法
- うがいができる幼児期以降からは、フッ化物洗口という方法
いろいろな方法があります。
歯医者さんでのフッ素を使ったケア
歯医者さんで塗ってもらう時期は、乳歯(子どもの歯)の上下の前歯がしっかり生える1歳ごろから始め、乳歯の奥歯が生える時期に応じて塗布してもらうと効果的だと言われています。
歯の生える時期は個人差もあるため、かかりつけの歯医者さんに相談してみてください。
お家でのフッ素を使ったケア
お家でのフッ素塗布は、歯みがきジェルタイプのもので、歯が生えた時期から使用は可能です。
フッ素の入った歯みがきジェル(うがいをしないタイプ)や歯みがき粉(フッ化物配合の歯磨剤)は適切な量を用いることで、むし歯予防の効果を発揮します。
うがいができないときは、うがいをしないタイプの歯科用ジェルタイプがおススメです。
フッ素を効果的に活用する方法
歯みがきジェルをつける際の注意点
歯が生え始め〜2歳まで
- 量…米粒程度(歯ブラシにつける)
- フッ素濃度…900~1000ppm
※使用される際は、必要以上につけないようにお願いします。
※塗布後は、ガーゼなどでぬぐってあげてください。
うがいができるようになったら
うがいができるようになったら、歯みがき粉に変えていきましょう。フッ素洗口をする時期は、歯医者さんで相談してみてくださいね。
歯医者さんで塗ってもらうフッ素と併用するのも効果的
お家ケアで使う歯みがきジェルのフッ素濃度と歯医者さんで塗ってもらえるフッ素濃度は違います。歯医者さんで塗ってもらえるフッ素は、濃度が高く停滞性も良いのでフッ素を取り入れやすくなります。
そもそもフッ素とはなに?
フッ素とはハロゲンの非金属で生体必須微量元素です。
フッ素は人体に多く含まれており、カルシウム・リン・カリウム・ナトリウム・マグネシウムに次いで多く含有されます。フッ素は自然界では単体で存在せず、フッ素とナトリウムが結合し、フッ化物とよばれる化合物として存在しています。
フッ素にはむし歯の原因菌の働きを弱め、歯から溶けだしたカルシウムやリンの再石化を促進し、歯の表面を強化してむし歯になりにくくする働きがあります。
最後に
フッ素は、むし歯予防に有効ですが、それだけではむし歯の予防はできません。何といっても食べ方や歯みがき(仕上げみがき)がむし歯予防の基本となります。
その上で、フッ素を使用していただくことはとても有効です。
歯医者さんでの定期健診と、むし歯予防としてフッ素を上手に活用していきましょう。
次回は、2024年9月16日公開です!お楽しみに!
(文)小牧圭美/Kiyomi Komaki
歯科衛生士歴23年 二児の母。
歯科医院勤務後、歯科衛生士養成校にて10年以上教育に携わり、担当患者数は歯科診療補助・歯科予防処置を含め、40,000人以上。結婚・出産後に退職し、離乳食をきっかけに食育インストラクターや健康咀嚼指導士を取得。介護士として施設で働く経験も持つ。
現在は、現役の歯科衛生士として大学で歯科衛生士教育に非常勤で携わりながら、乳幼児健診も行う。また、自身の経験から必要性を感じた人財育成として専門家へのコミュニケーション研修や教育機関、介護施設でお口の大切さを伝える講師をしている。
2022年より阪神梅田本店にて、ママそら講師として0歳ママさんを対象に「赤ちゃんのお口育て講座」を開催。2023年には「歯科医院お仕事マニュアル」共著で出版。