親子時間をもっと豊かにする絵本についてのコラムを4回に分けてお届けしています。
第1回目『絵本ってなぁに?』では、そもそも絵本とは何か、その役割と魅力をお伝えしました。
第2回目である今回は0・1・2歳のおすすめ『赤ちゃん絵本』の特徴についてお伝えします!
赤ちゃん絵本って?
厳密な定義はありませんが、乳児期〜2歳くらいの時期に合わせた絵本を『赤ちゃん絵本』と呼ぶことが多いです。
ファーストブックとして、乳児に絵本を手渡す事業を各自治体で行われていたりしますね。
累計で100万部以上発行された絵本を紹介する、株式会社トーハンの小冊子『ミリオンぶっく2020』によると、日本でいちばん売れている絵本は『いないいないばあ』。
1967年の初版より発行部数700万部を数え、世代を超えて読み継がれている赤ちゃん絵本の代表と言えるでしょう。
『いないいないばあ』
赤ちゃん絵本の特徴
さて、そんな赤ちゃん絵本にはいくつかの特徴があります。今回は4つの特徴から、おすすめ絵本をご紹介します!
【特徴1】手に取りやすい大きさや素材
赤ちゃんが自分で持つことができるように小さめの判型のものが多いです。
また角が丸くなっていたり、破れにくく壊れにくいようボードブックタイプになっていたりと工夫がなされています。
たとえば『じゃあじゃあ びりびり』などです。
『じゃあじゃあ びりびり』 まつい のりこ(著) 偕成社
【特徴2】はっきりとした色と形
生後間もない赤ちゃんでもわかりやすいように赤・青・黄などのはっきりとした色づかいや、丸・さんかく・しかくなどのシンプルな形が多用されています。
『ごぶごぶ ごぼごぼ』などがそうですね。
『ごぶごぶごぼごぼ』 駒形 克己(著) 福音館書店
【特徴3】オノマトペ・繰り返しのリズム
擬音語・擬態語が多用されるのも赤ちゃん絵本の大きな特徴。同じことばやリズムの繰り返しも多くみられます。
『がたんごとんがたんごとん』『だるまさんが』などがそれにあたります。
『がたん ごとん がたん ごとん』 安西 水丸(著) 福音館書店
『だるまさんが』 かがくい ひろし(著) ブロンズ新社
【特徴4】一緒に楽しめる
わらべうた遊びや親子一緒に身体を動かす体操など、読み手が赤ちゃんと一緒に遊べる絵本もたくさんあります。
『へっこぷっとたれた』『ぺんぎんたいそう』などをチェックしてみてくださいね。
『へっこぷっとたれた』
『ぺんぎんたいそう』 齋藤 槙(著、イラスト) 福音館書店
読み方に決まりはあるの?
園や支援センターなど大勢の前で読むときには、声の出し方や本の選び方など、よりみんなに楽しんでもらえるポイントがあります。
ですが、パパやママが自分のお子さんにおうちで読むときは「自由に楽しんで大丈夫!」と考えています。
特に、この時期の赤ちゃん絵本は、コミュニケーションツールとしての役割が大きいです。
ごろーんと寝転んで読んでもいいし、好きな場面を何回も繰り返してもオッケー。
何より、大好きな人があたたかい声で自分のために絵本を読んでくれるということが、赤ちゃんにとってはとてもうれしく楽しいのです。
「こうしなければ!」という型にとらわれず、ぜひ思い思いに絵本の時間を味わってもらえればと思っています。
柴田 香/Kaori Shibata
子育て中の親子にとって、もっと気楽に楽しみながら絵本とつきあっていけるヒントになればと思います。
【プロフィール】
会社員/絵本専門士/NPOふくおか子どものこころサポート研究所
1978 年、熊本県生まれ。大学卒業後、地方放送局にてテレビ・ラジオの制作に携わったのち、結婚を機に退職。図書館司書としてキャリアを重ね、独立行政法人国立青少年教育振興機構認定 絵本専門士として福岡市初の認定を受ける。現在は会社員として勤務しながら主に九州エリアを中心に、未就学児とその保護者向けの絵本講座やイベント、選書、記事執筆などの活動を続ける。8歳男児・6歳女児の 2 児の現役ママ。