好き嫌い・歯並び・学力にも影響が!?/噛んで食べる子を育てる食育 Vol.1

好き嫌いをする子ども 教育

子どもの食事のお悩みで、「お肉を食べてくれない」「偏食で困っている」「葉物野菜を食べない」などはありませんか?

せっかく作ったのに食べなくてイライラしてしまったり、何でも食べて元気でいてほしいのに、と困ってしまいますよね。

子どもの行動には必ず理由があり、実はその中の一つとして、「噛む」ことと、好き嫌いや偏食が関係している場合もあります。

そこで今回は『子どもの噛む力の重要性』についてお伝えいたします。

 

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噛むことでどんな効果があるの?

「噛むこと」にはどんなメリットがあるのでしょうか。
噛むことがどんなことに影響しているのかを、食や体の発達の視点からお伝えします。

子どもの成長と『嚙む』ことの大切さ

1)肥満予防

食事を食べ始めてから満腹というサインが働くのは約20分かかると言われています。

つまり、早食いによって満腹のサインを感じにくく、食べすぎに繋がることがあります。早食い、食べ過ぎが習慣として続くと、子どもでも肥満となります。子どもの肥満は、大人の肥満に移行することが懸念されており、学童期の肥満の約4割が思春期の肥満は約7~8割が大人の肥満に移行するというデータがあります。
参照:日本小児内分泌学会

肥満は、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病を招くリスクも大きくなるため、子どもの肥満も注意していく必要があります。

そのためには、食事と運動、睡眠のバランスなど子どもの頃からの習慣作りが大切です。

 

2)脳の発達

よく噛むことで、脳が刺激され、脳に流れる血流量が増えるため、脳の発達を促してくれます。

特に前歯を使って噛み切って、奥歯ですりつぶすという食べる動作は、「考える」「記憶する」「感情コントロールする」などを司る脳の前頭前野が活性化することも期待されています。結果、幼児期に限らず学童期、思春期においてもよく噛むことが、学力向上にも繋がってきます。

大人もよく噛むことで、物忘れ防止や認知症予防になるため、子ども1人で食事をさせるよりも家族で食卓を囲んで一緒によく噛んで食べる姿を見せることも食育において大切です。食卓を囲む

 

3)お口の発達

卑弥呼がいた弥生時代は食事の噛む回数が1回の食事で約4000回だったのに対し、戦前は約1400回、現代は約600回といわれています。

食の欧米化などによって、噛む回数が減ることで、あごの発達が妨げられ、あごが狭くなってしまいます。そしてあごが狭いと、大人の歯が生えてきたときに並びきらず歯並びが悪くなります。歯並びが悪く、嚙み合わせが合わないと、うまく食事を噛むことができず、お肉や葉物野菜などが食べにくくなり、結果好き嫌いや偏食につながる、ということも起こり得るのです。

お口の発達は、お顔の成長への影響も大きいため、整った顔立ちにも影響しています。

言葉の発音もきれいになり、まさに一石二鳥ではなく、何鳥にもなるんです。子どもの口内

 

4)風邪予防

TVを見ている時、遊びに夢中になっているとき、寝ている時、お口が開いたままになっている「お口ぽかん」になっていないかチェックしたことはありますか?

現代の子どもは3人に1人が「お口ぽかん」という調査結果があります。

⽇本における発達期⼩児の⼝唇閉鎖不全の有病率:横断的⼤規模アンケート調査より)

お口ぽかんのリスクは、口呼吸になることです。

通常、鼻呼吸の場合は、鼻毛がフィルターの役割をして、ウイルスやほこり、花粉などを体に入れにくくする役割をしていますが、口呼吸では口から体内に取り込みやすくなってしまいます。

結果、風邪をひきやすくなったり、お口が乾燥することで、むし歯のリスクも上がってしまいます。

口呼吸になってしまう原因は、鼻炎の影響など様々ありますが、お口や全身の発達も大切な要素です。子どもの口元

 

その他、いろんな視点からもメリットまだまだあります!

「噛む力」を育てるためには「食事」ばかりが大切というわけではありません。お口と全身の繋がりを知って、生活の中で噛むためのお口を育てるポイントを次回もお伝えしていきます。

次回、離乳食前から始める『お口育て』もぜひご覧ください!

 

 

上西智佳氏
上西 智佳/Chika Uenishi

管理栄養士/離乳食アドバイザー/幼児食アドバイザー

病院勤務と特定保健指導業務に携わり、延べ2000人以上の栄養サポートを実施。これまでの経験と自身の2人の育児を通して、「生活習慣病予防と、子供やママ自身の健康をサポートしたい」という思いのもと現在はフリーランスとして活動。行政の離乳食教室、オンライン離乳食・幼児食講座や子供のアレルギー対応・米粉のおやつレッスンなどを開催。

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