お子さんの歯や歯みがき、噛むことについてはいろいろと悩んでしまいますね。
実は幼児食講座をするうえでよくママ達から質問が多く寄せられます。
きれいな歯のためには、毎日の歯みがきが大切です。しかし、子どもがいつも機嫌よく歯みがきをするとは限りません。
歯で気になることには、歯並びもあります。よく噛むことはきれいな歯並びへと導いてくれます。いつもの幼児食にちょっと工夫を加えることで、噛む力の成長を助けることができるんです。さらに、よく噛めるようになるためのお口のトレーニングは、遊びのなかでもできますよ。
今回は歯みがきのコツと困ったときの裏技、よく噛めるようになるための工夫について紹介します。
丈夫できれいな歯を育てるポイント
ポイントをいくつかに分けて細かく紹介していきますね。
よく噛めるにようになるための工夫
第1回目のコラムで紹介しましたが、子どもの噛む力は弱くて、6歳では大人の40%程度の力しかありません。乳歯から大人の歯に生えかわり、あごも成長するにつれてだんだん噛む力も強くなります。噛む力が強くなれば、あごの成長が促進されてきれいな歯並びになりやすくなります。
では、よく噛めるようになるにはどうすればよいでしょうか。
噛む力をつけるために必要なことは、硬いものを食べることではありません。
噛む力が弱くて、歯の本数も少なく、成長途中のあごで硬いものを食べることは、筋トレに例えるなら実力以上のダンベルを持ち上げるようなもの。歯にもあごにも負担がかかりますので、硬いものを無理に食べさせることはやめましょう。
よく噛めるようになるには、「前歯でかじり取る」動作が大切です。噛み切って食べる、野菜スティックのような細長い食材を用意しましょう。やわらかいスティックパンでも効果があります。
また、手づかみ食べをすると、自然と前歯でかじり取ることが多くなります。ママは準備や後片付けに手間がかかりますが、できる範囲で構いませんので手づかみ食べしやすい幼児食にしましょう。
食事の時間以外にもできる、お口のトレーニング
よく噛んで食べることを子どもに意識させることは大切です。しかし、噛むことを気にしてばかりだと、食事が疲れて楽しくなくなるかもしれません。食事のたびにママに噛むことを注意されて、子どもが食べることを嫌いになるのは避けたいですね。
よく噛めようになるためのお口のトレーニングは、食事の時間だけではなく、遊びながらでもできるんです。
- ラッパを吹く
- シャボン玉あそび
- 風船をふくらませる
- 口笛
- にらめっこ
どれも子どもが喜んで遊ぶこと間違いなしです。月齢や成長に合わせて、いつもの生活の中に是非取り入れてください。
実は、おしゃべりすることもお口のトレーニングになっています。親子で会話を楽しむだけで、よく噛めるお口への成長を後押しできるんです。よく噛むことができて、幼児食の時間が楽しくなるように、たくさんおしゃべりしてくださいね。
歯みがきを嫌がるときは
ママが仕上げみがきをしようとすると、子どもが逃げ出して困っていませんか。子どもが嫌がる理由は、ママが歯ブラシを子どものおくちに入れることを「怖い」と子どもが感じているからかも。
歯みがきを怖いと感じないために、おくちのまわりをママが触ることに子どもが慣れることから始めます。
ふれあい遊びやわらべ歌で子どもをリラックスさせて、お口のまわりを触ってみましょう。ママがガーゼのハンカチで指をつつんで、歯を触るのもいいですね。
歯みがきの時間以外にも、できることがあります。歯や歯みがきを題材にした絵本を子どもに読み聞かせて、歯みがきに親しみを感じるように働きかけましょう。子ども向けのテレビ番組を、親子で一緒にみるのもいいですね。
ママが自分の歯をみがくときに、歯みがきの様子を子どもに見せるのも効果があります。その時のコツは、楽しいと感じさせることです。「歯をみがくと、すっきりして気分がいいよ」と教えてあげましょう。虫歯を怖がらせるようなことを言うと、逆効果になって余計に歯みがきを嫌がるかもしれませんから、注意してください。
ママがどんなに頑張っても歯みがきを嫌がるときや、あるいは外出中ですぐに歯をみがけない時もありますね。そんな時は、裏技をつかいましょう。麦茶のような無糖の飲み物を飲んで、歯の汚れを洗い流すだけでも効果はあります。
日々の生活でできる丈夫できれいな歯を育てるポイントのまとめ
歯みがきも、よく噛むことも、嫌々やっていては効果が小さくなります。どちらも楽しく行いたいですね。今回紹介したコツは、この2つです。
- 歯みがきを嫌がるときは、ママが子どものお口のまわりをさわることに慣れることから始めましょう。
- よく噛めるようになるには、前歯でかじりとる動作が大切。遊びの中で、楽しみながらお口のトレーニングもできます。
きれいな歯、きれいな歯並び、よく噛む力を得られるように、楽しくサポートしてあげてください。
次回は、幼児食で子どもの自己肯定感を高める方法と、算数好きになる土台作づくりをお伝えします。