こんにちは!東京ヤクルト販売の管理栄養士です。
2回にわたり、骨の成長に欠かせない「カルシウム」とカルシウムの吸収率アップに役立つ「ビタミンD」についてご紹介しました。
そして今回は働く世代、特に女性が不足しがちな「鉄と葉酸」についてはたらきや1日分の推奨量、鉄・葉酸を多く含む食品などををご紹介します。
鉄と葉酸 のはたらきと1日分の推奨量
鉄の主なはたらきと1日分の推奨量
鉄は人体に必要なミネラルの一つで、赤血球をつくるのに必要な栄養素です。
成人の体の中には3gから5g程度存在し、そのうち70%は赤血球をつくるヘモグロビンなどに存在します。残りの30%は、肝臓や骨髄・筋肉などに貯蔵鉄としてストックされています。
鉄は、主に血液中の酸素を運ぶ役割を担っています。そのため、鉄が不足すると赤血球中のヘモグロビンが減って赤血球の数が減るため、酸素の供給が十分にできなくなります。集中力の低下や、頭痛・食欲不振などの症状が現れてきます。
1日分の推奨量は、18~49歳の月経がある女性で10.5㎎/日。18~49歳の男性では、7.5㎎です(※1)。
※1 引用元:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年度版)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09411.html
鉄を多く含む食品って?
では、鉄を多く含む食品にはどのようなものがあるでしょうか。
よく聞く豚や鶏のレバーの他にも、魚や豆類・海藻・緑黄色野菜にも含まれています。
- 鶏レバー1食分(100g) 9g
- しじみ10個(30g) 2.5g
- あおのり小さじ1(2g) 1.5g
- 小松菜の葉 1株 1.1g
- 糸引き納豆1パック(30~50g) 1.0g
ちなみに、鉄は肉や魚に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。ヘム鉄は、非ヘム鉄よりも吸収が良いですが、非ヘム鉄も動物性のタンパク質やビタミンCを一緒に摂ると吸収しやすくなります。
葉酸の主なはたらきと1日分の推奨量
葉酸は水溶性のビタミンで、赤血球の形成や、たんぱく質の合成に関わる栄養素です。
葉酸の不足は、赤血球合成を抑制するため、貧血等の症状を引き起こす要因となります。特に、妊娠中や授乳期の女性では血清中の葉酸が優先的に胎盤や胎児へ運ばれるなど必要量が増えるので、意識的に摂ることが必要です。
1日分の推奨量は、男女ともに18歳以降で240μg/日(※1)です。
※1 引用元:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年度版)https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09411.html
葉酸を多く含む食品って?
では、葉酸を多く含む食品にはどのようなものがあるでしょうか。
鉄と同じく豚や鶏のレバー、豆類・海藻・緑黄色野菜の他、卵や乳類にも含まれています。
- 鶏レバー1食分(100g) 1,300μg
- あおのり小さじ1(2g) 5μg
- ブロッコリー 1株(250g) 550μg
- 鶏卵1個(60g) 29μg
- 糸引き納豆1パック(30~50g) 36μg
まとめ
今回は働く世代、特に女性が不足しがちな「鉄と葉酸」についてはたらきや1日分の推奨量、鉄・葉酸を多く含む食品などををご紹介しました。いかがだったでしょうか。
心身の健康維持・増進には、バランスの良い食生活でさまざまな栄養素を取り入れることが大切です。