赤ちゃんと自分の2人きりの生活。
冬の寒さも厳しくる頃なら、外へ出かけて風邪をひくのも心配だし、夏なら暑くて熱中症も心配ですよね。
でも、室内でどうやって過ごそう?
そんなふうに感じてしまいますよね?
そこで「乳児期の赤ちゃんとのご家庭での遊びや過ごし方のヒント」をお伝えしていきます。
赤ちゃんとの遊びが豊かになる 3つのポイント
0歳の赤ちゃんにとっては何もかもがはじめて。見ることや聞くこと、触るもの、そのすべてが目新しいのです。
毎日ただ寝転んでいるだけではなく、たくさんのことを肌で感じ、吸収し、学んでいます。
赤ちゃんにとっては日常生活の中のすべてが遊びであり、学びなのです。
1. やさしく五感を刺激しよう!
様々な知能の発達を促していく中で、まず五感を意識して刺激してあげるのがおすすめです。
『視覚』見ること
朝起きて、まずお母さんやお父さんの顔を見せてあげること。抱っこして、窓から外の景色を見せてあげること。明るかったり、曇っていたり、お日様がまぶしかったり…それだけで、赤ちゃんにとっては十分な刺激になっています。
赤ちゃんが興味をもったものを目で追う『追視』も遊びの中で取り入れてみてください。色や音のなるおもちゃをゆっくりとお顔の前で動かしてあげましょう。
『聴覚』聞くこと
言葉を習得していく前段階として、赤ちゃんは音を覚えていきます。まだ、言葉のもつ意味は理解できていなくても音で情報を得ています。
「かわいいね~」「すごいね~」「びっくりしたね!」
「どんな言葉をかけるのがよいか?」だけではなく、その時に出す声のトーンも意識してみてください。
歌を歌って聞かせたり、絵本を読んであげたりすることもおすすめです。
歌を歌うことに苦手意識がある人は無理して自分で歌わなくても、スマホで音楽をかけるだけでもいいでしょう。
曲のチョイスも、必ずしも子ども向けの童謡やオルゴールじゃなくてもOK!お母さんやお父さんの好きなアーティストの音楽で大丈夫です。
ただ大きすぎないように、音量には気を付けてくださいね。
『触覚』触ること
自分の手で何かを持ったり握ったりできるようになるのは、ねんねの時期の赤ちゃんにとって大きな発見と成長への第一歩です!
「すごいね!」「これからいろんなことができるようになるね!」と一緒に喜んであげてください。
私たちの身の回りには、いろんな感触のものがあります。やわらかいタオル、つるつるした容器、凹凸のある日用品。
家庭内にあるものでもいいのですが、何でも口に入れることが大好きな時期。安心して赤ちゃんへ渡せて触り心地の違いを楽しめるおもちゃをいくつか用意してあげましょう。
『味覚』食べること
口の中に何かをいれることも赤ちゃんにとってはひとつひとつが刺激です。なんでも口にいれるのは探求心の表れ。
身の回りには口にいれると危険なものも多いですが、お子さんが口にいれる行動をしたときは過敏になりすぎず「お口にいれてみたんだね」「どんな味だろうね~」と探求心を喜び、肯定的な声かけをしてあげてください。
もちろん誤飲には気を付けましょう。のどに詰まってしまうサイズのものや舐めると危険なものは手の届かないところにしまっておいてくださいね。
離乳食は赤ちゃんにとっての食べる楽しみがはじまります!
とても敏感な味覚をもつ赤ちゃん。素材そのものが持つ味の違いを感じています。好きな味、苦手な味、口に入れたときの感触にも好みがあると思います。一緒に「好き」探しを楽しみましょう。
『嗅覚』匂うこと
嗅覚もとても重要な刺激です。外を歩いている時の草花などの自然物の匂いや、雨上がり独特の匂い。いい香りもちょっと嫌な臭いも、意識して「いい匂いがするね」「ちょっとくさいね~」とその匂いの違いを伝えてみてください。
離乳食がはじまる前でも、ご飯の炊ける匂い、大人の人が食べる食事の匂いなどを敏感に感じ取っています。
また、人工的な香りのするものは赤ちゃんには刺激が強すぎる場合が多いです。嗅覚を守ってあげるために、家庭での香りの強い日用品は見直すことも必要です。
2. 「いつも同じ」という安心感
お子さんのために「何かしてあげなくては!」「たくさん遊んであげなくちゃ」と思っておられる方は多いです。しかし気負わずに「いつも同じ」環境をつくることも大切なことです。
これは乳児期だけでなく、幼児期、学童期、そして私たち大人も一緒。
いつも同じ、安心できる場所があるからこそ、新しいことや少し難しいことにもチャレンジしようとする気持ちが自然とわいてきます。
まず第一に、安心安全な場所・時間を意識してつくりましょう。
3. 一人で頑張らない
どんなに子どもが好きでも、赤ちゃんとの2人きりの時間は同等のコミュニケーションがとれず閉鎖的になりがちです。
出産前から子どもに関わる仕事をしてきた筆者も「小さな命を守らなくては!」というプレッシャーと、赤ちゃん中心の生活で話し相手がいないことに辛さを感じました。
そんなときは児童館や子育て広場などの支援施設やサービスを活用しましょう。
家から近いところや交通が便利なところだけではなく、好きなことや興味関心が似た人が集まる子育てサークルなどを探してみてください。
お子さんにとっても、お母さんお父さんにとっても、安心できる場所が見つかるといいですね。
まとめ
五感を通した遊びや体験から、お子さんの「好き」や「嫌い」がきっと見つかります。好きな感覚が分かると、おもちゃ選びのときにも役立ちますよ。
宝田 ひか里/Hikari Takarada
一般社団法人あそびの先生協会 代表理事
元幼稚園教諭。おもちゃコーディネーター®。息子3才・娘0才の時にオランダの幼児教育法ピラミーデと出会い、ティーチャー資格取得。そのわかり易さと理論の奥深さに魅了され、講座の構築と自身の子育てに取り入れ9年目。子どもと育ち総合研究監修の元、「あそびの先生」の講座・プログラムを構築し、2016年に一般社団法人を設立。