子育てが落ち着いてきたから仕事復帰したい!
そして仕事に復帰するなら「人気の接客業で活躍したい」と思っているあなたに、接客業で実践できる印象が良くなる言葉遣いやコミュニケーションのコツをご紹介します。
言葉遣いや話法はすぐには身につかないので、まずは意識をしてコミュニケーションをとる習慣を一緒に学びましょう。
目次
好感度アップのコミュニケーション 思いやりが届く言葉遣い
どのような言葉を使うかであなたの印象は変わります。言葉ひとつで相手に不快な気持ちにさせてしまうこともあるかもしれません。
敬語は『言葉の気遣い』です。正しい敬語、正しい日本語はきちんと身につけたいもの。
まずは、相手との関係性で状況に応じた敬語を使い分けることが大切ですが、それ以外の印象がアップする話法についてもご紹介します!
思いやりが届く言葉遣いのコツ4つ
【言葉遣いのコツ1】クッション言葉を文頭におく
相手にお願いをする時や言いにくいことを伝える時、ご要望にお応えできない時などはクッション言葉を文頭におきましょう!
例えば、
- お願い・相談・確認する時
→「恐れ入りますが」「お手数ですが」
- 断る時
→「申し訳ございませんが」「あいにく」
- 意向をたずねる時
→「お差し支えなければ」「もしよろしければ」「失礼ですが」
- タイミングを配慮する時
→「お時間のある時に」「お手隙の際に」
クッション言葉を文頭につけるだけで、文章全体の印象がやわらかくなり、コミュニケーションが円滑になります。無くても言いたいことは伝わるのですが積極的に使ってみてください。
【言葉遣いのコツ2】文末を依頼形にする
依頼形とは、相手に許可を得る表現です。「…してください」ではなく
- 「…していただけますか」
- 「…していただけますでしょうか」
- 「…していただけませんでしょうか」
と依頼形にすると相手に対して気遣いがより伝わります。
用件をダイレクトに伝えると角が立つこともあるので、クッション言葉+依頼形を意識したコミュニケーションをとってみましょう。
例えば「ここに住所と名前を書いてください」と伝えたい時は「恐れ入りますが(または、お手数ですが)こちらにご住所とお名前をご記入いただけますか」と、ひとつひとつの単語を丁寧な表現にしましょう。
【言葉遣いのコツ3】肯定型・提案を添える
相手の要望に対して「わかりません」や「できません」のような否定型はの言葉はなるべく使わず、肯定的な表現をしましょう。プラス代替案を一緒に提示できると、よりいいですね。
例えば、
- 「そんなことはできません」
→「申し訳ございませんが、そのようなことはできかねます(または、いたしかねます)。代わりに〇〇はいかがでしょうか」
- 「加藤は今いません」
→「あいにく加藤は席を外しております。よろしければ、私が代わりに伺いますがいかがでしょうか(または、別の詳しいものにおつなぎいたしましょうか)」
肯定的表現をすることで、相手に寄り添う思いを伝えることができます。
【言葉遣いのコツ4】言い回しを変える
表現を少し変えるだけで、相手の受け取り方の印象が良くなることがあります。例えば
- 「Aでいいです」
→「Aがいいです」
- 「14時まで予約がいっぱいで無理です。いかがしましょうか」
→「恐れ入りますが、14時以降はいかがでしょうか」
と、言い変えることで印象が全然違います。
心が通じるコミュニケーションのコツ3つ
お客様を大切に思っている気持ちが伝わると、良い関係を築き絆を深めることができます。信頼関係こそがコミュニケーションの土台となります。
相手を尊重し、双方にとって心地の良いコミュニケーションができるコツをお伝えします。
【コミュニケーションのコツ1】ペーシング
ペーシングとは声のスピードやトーン・感情・テンションを相手に合わせることです。
人は自分と共通点が多い相手には親しみを感じ心を開きやすいです。円滑なコミュニケーションのために、相手の鏡になったつもりで動作や表情をマネしてみましょう。
ペーシングの例
- 相手が笑顔で元気にハイテンションに話していたら、自分も笑顔でテンション高く明るく話したり頷いたりする。
- 相手がゆっくり話す人なら、自分もゆっくり丁寧に話す。
- 相手が落ち込んでいたら、自分も少しトーンダウン、元気のない声で話す。
【コミュニケーションのコツ2】バックトラック
バックトラックとはオウム返しで相手の言葉を繰り返すことです。
「わかって欲しいな」と思っている内容を人は何度も口にするものです。その相手のキーワードを繰り返したり要約したりすることで、相手は安心感を覚えます。
「自分のことをよく理解してくれ話がわかる人だ」と思われると、その後のコミュニケーションがスムーズです。
バックトラックの例
- 「これ、素敵でしょ!最近のお気に入りなの」
→「本当に素敵です!とってもお似合いですよ」
- 「秋物でおすすめを探していて、ベージュ系のお洋服が私には似合うかな?と思っているのだけど…」
→「秋物でおすすめの商品をお探しなのですね。ベージュ系は確かにお似合いだと思います。おすすめをご紹介しますね」
バックトラックはテレビの司会者や、カウンセラーやキャリアコンサルタントなどの聴くプロも使うテクニックで、相手の心をつかみ信頼関係の構築を育みます。
【コミュニケーションのコツ3】キャリブレーション
キャリブレーションとは観察です。相手をよく観察し言葉には表れない相手の気持ち、本音を理解しましょう。
顔の表情や目の動き、口調の変化など、相手を目で見て、耳で聞いて、身体で感じることが大切です。五感をフル活用してコミュニケーションをとると、より一層、相手に寄り添うことができます。接客の場面ではお客様の気持ちを察し行動することで最高のおもてなしができます。
キャリブレーションの例
- 話をする姿勢はどうでしょう。手の動きや腕組み、足組みの様子などで、相手のワクワクやイライラを感じ取れることがあります。
- 相手の目を見てみましょう。キョロキョロしている時は心の動揺を感じ取れることがあります。
- 声のトーンにも注意します。話している間にだんだん明るくなったり低くなったり変化を感じ取れることがあります。
まとめ
いかがでしたか?このコラムで、お伝えしたことは接客業に関わらずプライベートでも役に立ちます。
自分の周りにいる方と、良好な人間関係を築くために是非今回ご紹介した内容を意識してコミュニケーションをとってみてください。
相手を尊重し、心から思いやることが良いコミュニケーションの鍵となるでしょう。
また、前回のコラムでは、元客室乗務員に学ぶ接客術!接客5原則と接客7大用語についてお伝えしました。言葉遣い以外の接客マナーも参考にしてみてくださいね。
次回コラムは2023年9月27日公開予定です。お楽しみに!
鵜飼 千登静/Chitose Ukai
夢叶いJALの客室乗務員として国内線・国際線に乗務。その後、結婚、妊娠。しかし、育児休職中にまさかのJAL破綻。思いもよらぬ形で早期退職というつらい選択を余儀なくされる。
キャリアが途切れる不安から、娘1歳半より講師としてセカンドキャリアを築くが、小さい我が子を抱えての社会復帰に心身ともに限界に近づき、ひとり働き方改革!
現在はフリーランスの講師×キャリアコンサルタントとして、行政セミナー、企業研修、教育機関(高校・専門学校・大学)講義、就職・キャリアアップ支援など人材育成をメインとする。一人ひとりの個性や現在の状況と課題に着眼し、その方が描く未来に近づけるようファシリテーターとしての役割で人を導く。
・ホームページ Career Path Design