正社員・派遣社員・パートタイム・アルバイト・個人事業主など様々な働き方のスタイルがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ライフスタイルが変われば最適な働き方も変わり、子育て中のママであれば子どもの年齢によって常にそれは変化していきます。
近年は副業を解禁した企業も多く、平日は会社員として、週末は個人事業主として働くパラレルキャリアを築く方も増えてきました。
しかしながら本業を個人事業主として働いている方は3%程度とまだまだ少数派です。
今回のコラムでは、ママが個人事業主としての働き方を選ぶときの考え方や、メリット・デメリットをポイントをしぼってご紹介します。
また、育児とキャリアの葛藤!子どもを保育園へ預ける罪悪感との向き合い方についてもご紹介していますので、以下のバナーからご覧ください。
目次
主婦が個人事業主として働くメリット3つ
メリット① 仕事する時間帯を選べる
被雇用者である会社員やアルバイトは、仕事内容や勤務時間・勤務日数など、雇用主が決めた会社の規則に従って働くのが原則です。
しかし、個人事業主は誰かに雇われている訳ではないので従うべき就業規則はありません。クライアントとの打ち合わせや商談など、対人の仕事以外は自分の好きな時間で対応できます。
在宅勤務ができると、夜に子どもを寝かしつけた後に仕事をしたり、通勤時間がなくなる分、家事や育児に時間を使ったりできます。
メリット② 仕事量を自分で調整できる
会社員は会社や業界の状況に左右されやすいです。
例えば、百貨店勤務の場合、年末年始などは休みも少なく大忙し。「今年は子どもが受験だから、本当は家に居て子どものサポートをしてあげたい…」と思っても、同僚が休日に出勤して忙しく働いているのに、自分一人だけ仕事を休むのは気が引けますよね。
個人事業主のメリットは、自分の意志次第で仕事量や労働時間を調整できることです。子どもが夏休みや受験シーズンは仕事を減らしたり、学校生活が落ち着いたら仕事量を増やしたりというような選択ができます。
例えば会社員の場合は、夏休み40日間をまるごとお休みすることは難しいですよね。パートやアルバイトの場合でも解雇されてしまう可能性があります。
個人事業主には勤務日数や勤務時間の決まりがないので、他者の目を気にせず休みをつくることができるのもメリットです。
メリット③ 頑張り次第で収入があがる
被雇用者(会社員やアルバイトなど)として働く場合は、給料にはある程度の上限があります。
例えば、営業職の会社員の場合、営業成績が良ければその分評価はされますが、いきなり給料が2倍に増えるなんてことはなかなかありません。
しかし個人事業主の場合は、努力次第で収入を2倍3倍と増やすことが可能です。
努力しても実りを結ばないこともありますが、収入をどんどんアップできる可能性があるのは個人事業主の魅力でもあります。
主婦が個人事業主として働くデメリット2つ
何事もメリットがあれば、デメリットもあるものです。これらはデメリットというよりも個人事業主として働く場合に気をつけて欲しいポイントです。
デメリット① 強い自律心が求められる
メリットでも述べたとおり、個人事業主には時間的な縛りがありません。しかし、自由度が高い分、自分をコントロールできないとデメリットになることも。
主婦の朝は大忙し。子どもが登校・登園した後にちょっと一息つきたいけれど、そこで仕事にとりかかるという自律心が求められます。
個人事業主には、自分に注意を促してくれたり、成長のためのアドバイスをしてくれる上司はいません。自己成長のためには、自分の仕事に対して積極的にフィードバックをもらいに行く姿勢も大切になります。
強い自律心をもって、自由に楽しく仕事に取り組めれば、これはデメリットにはなりません。
デメリット② 収入が安定しにくい
仕事量や勤務時間を調整できる反面、個人事業主は収入が安定しにくいというデメリットがあります。
会社員の場合は、繁忙期であっても閑散期であっても、基本給は一定。勤務時間について「平日9時~17時の間は会社のために時間を使う」という確約をしているからこそ安定した収入があります。
個人事業主の場合は、依頼された仕事がなければ労働はありませんが、その分収入もありません。また、安定して仕事を受注できるとも限らないのもデメリットになるでしょう。
個人事業主でも安定した収入を得るためには?
個人事業主は収入が安定しにくいデメリットを紹介しましたが、不安にならなくても大丈夫です。
この問題を解決するためにおすすめしたいのが、複数の仕事先・お客様を持つことです。複数の収入源を持つことでバランスをとりながら仕事の調整ができます。
方法① 同じ仕事内容で複数のクライアントを持つ
例えば、物販を仕事としている場合
- 化粧品会社の仕事
- 食品会社の仕事
など、複数の仕事を掛け持つとよいでしょう。
方法② 異なる仕事内容をこなす
あなたの好みに応じて
- 物販
- デザイナー
- 裁縫内職
など、全く職種の異なる仕事を掛け持つことができます。
ちなみに筆者は、講師・ライター・ファッションコンサルティングなどを生業としている個人事業主です。1種類の仕事だけでは収入は不安定ですが、複数の仕事を持つことで1年を通して収入の安定化を図っています。
個人事業主の収入は不安定な部分もありますが、複数の仕事を持つことで安定的に高い収入を得ている個人事業主のママはたくさんいますよ。
家庭・育児との両立を図るために大事なこと
個人事業主として仕事を依頼されるのは、あなた自身を信用して仕事を任されているということ。仕事をすればするほど経験値やスキルも上がり、新しい分野やより多くの仕事の依頼をいただくことも。興味がある仕事には果敢にチャレンジしたいですよね。
しかし時には仕事を断ることも重要です。
家庭と育児との両立をしたいから個人事業主という働き方を選んだのに、NOと言えずに全ての仕事を受けて、プライベートの時間が全然取れなくなってしまったら本末転倒です。
何を大事にしたいか優先順位を自分で決めましょう。この優先順位は状況とともに変化するので、一度決めた優先順位はその都度見直す必要があります。
どんな仕事をするのか、どのくらい仕事するのか、何を続けるのか、何を辞めるのか…。これらを決めるのは全てあなた自身なのです。
まとめ
いかがでしたか。主婦が個人事業主として働く上で大切なのは「今、自分は何を大事にしたいのか」をしっかり見極めることです。
家庭状況も、ママ自身も常に変化していきます。一度決めたことに拘らず、常に今の自分が大事にしたいことをしっかり考えてみてください。
仕事もプライベートも自分のバランスで向き合いたいというママにとって、個人事業主はおすすめしたい働き方です。
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(文)川口 香織/Kaori Kawaguchi
1987年生まれ、東京都の下町出身。高校~大学院 6 年間の英国留学により、イギリスかぶれの江戸っ子となる。大学卒業後は 8 年間、外資系 IT 企業でカスタマーサポート・ユーザーサポート・法人営業などを担当。現在は独立し、キャリアコンサルタント・理系ファッションアドバイザー・講師・ライターとして幅広く活動中。三姉妹(8 歳・6 歳・0 歳)の母親でもある。趣味は着物、古代ローマ史、パズルゲーム。
著書:「類は友を呼ぶが異類はチャンスを呼ぶ: 目の前のチャンスを手に入れた私たち」「中学受験の闇(https://amzn.asia/d/7IWq2ud)」など