子育て中のママが仕事と家庭を両立させるためには、働き方選びが重要です。
このコラムでは、子育て中のママにおすすめの仕事を3回に分けて紹介しています。
「在宅ワーク編」では家にいながらできる仕事をご紹介していますが、この記事では「事務職編」として、ママに人気の事務に焦点を当てます。
「事務職」というと、正社員としてのフルタイム勤務をイメージするかもしれませんが、最近では時短勤務や週数日勤務など、多様な働き方ができる職場も増えています。
子どもの学校や保育園の時間に合わせて働けることから、ママたちの間でも人気の職種です。
目次
事務職で働くメリット
事務職の最大のメリットは、比較的勤務時間が安定していることです。残業が少なく、定時で帰れる職場が多いので、子どものお迎えや帰宅時間に合わせやすいという特徴があります。
また、スキルが身につきやすいことも魅力の一つです。Excel・Wordなどのオフィスソフトの操作や電話応対など、基本的なビジネススキルは様々な場面で活かせます。
さらに、育児休業や時短勤務などの制度が整っている勤務先も多く、ママでも働きやすい環境が整えられています。
ママにおすすめの事務職5選
子育て中のママが働きやすい事務職はどのようなものがあるのでしょうか。以下では、時間や場所の融通が利きやすい事務の仕事を5つご紹介します。

1. 一般事務・総務事務
一般事務は、書類作成やデータ入力、電話対応、来客対応など、オフィスでの基本的な業務を行う仕事です。特に専門知識がなくても始められることが多く、子育て経験で培った「段取り力」や「コミュニケーション能力」が活かせます。
総務事務は、社内の環境整備や備品管理、各種手続きなど、会社の運営をサポートする業務です。「家庭の管理」と似た面もあり、家事や育児で培ったスキルが役立ちます。
おすすめポイント
- 特別な資格がなくても始められる場合が多い
- パート・時短勤務など、働き方の選択肢が多い
- 基本的なPCスキルを身につけられる
2. 医療・教育機関の事務
病院やクリニックの受付、学校や教育機関での事務作業は、比較的勤務時間が規則的で、子育てとの両立がしやすい仕事です。
医療事務は、病院の受付や会計、保険請求などを行います。地域密着型の医療機関も多いため、自宅から近い場所で働ける可能性が高いのも魅力です。
学校事務は、小学校や中学校、高校などでの事務作業を行います。子どもの長期休暇と勤務スケジュールが合うことが多く、特に自分の子どもが通う学校や近隣の学校で働くことができれば、子どもの行事や急な呼び出しにも対応しやすくなるでしょう。
おすすめポイント
- 地域密着型の仕事で通勤時間が短い
- 医療事務は資格取得により就職しやすくなる
- 学校事務は子どもの長期休暇と休みが重なることが多い
3. 経理事務
請求書の発行や支払い処理、給与計算、経費の仕訳など、会社のお金に関わる業務を行う仕事です。家計管理の経験が活かせる場合も多いでしょう。
資格や専門知識が求められる場合もありますが、その分、スキルが認められやすく、時短勤務でも重要な仕事を任されることも少なくありません。
おすすめポイント
- 家計管理の経験が活かせる
- 専門性があるので評価されやすい
- リモートや時短勤務など柔軟な働き方が可能な場合も多い
4. 短時間事務派遣
派遣会社に登録して、短時間の事務の仕事を紹介してもらう働き方です。「10時から15時まで」など、子どもの保育園や学校の時間に合わせた勤務時間を希望できることが多いでしょう。
また、長期休みや子どもの行事に合わせて働く期間を調整しやすいのも魅力です。一定期間働いた後に少し休みをとって、また新しい職場で働くという働き方も可能です。

おすすめポイント
- 勤務時間や期間を自分の生活に合わせて選べる
- さまざまな職場を経験できる
- スキルアップしながら柔軟に働ける
5. 在宅事務
個人事業主として、自宅で事務の仕事を請け負う働き方です。データ入力やウェブサイト更新、メールの返信代行など、オンラインで完結する業務を中心に仕事を受注します。
特に注目したいのが「バーチャルアシスタント」(オンライン秘書)という働き方です。これは企業や経営者のスケジュール管理、メール対応、資料作成などをオンラインで行う仕事で、出社せずに秘書業務ができるのが特徴です。子どもの急な体調不良にも比較的対応しやすく、複数のクライアントを持つことで収入の安定化を図ることもできます。
おすすめポイント
- 得意な事務作業に特化して請け負うことができる
- 複数の取引先を持つことでリスク分散が可能
- スケジュールを完全に自分でコントロールできる
事務職に役立つ資格
事務職に就くにあたって役立つ資格をいくつかご紹介します。資格があると就職や再就職の際に有利になることも多いでしょう。

- MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト):ExcelやWordなどのスキルを証明する資格
- 医療事務系の民間資格:医療事務の知識を証明する資格で、就職に有利
- 簿記検定:経理事務に役立つ資格で、3級から始めるのがおすすめ
- 秘書検定:ビジネスマナーや文書作成などの基本スキルを証明する資格
資格の勉強は子どもが寝た後や休日の隙間時間にもできるので、復職の前の準備期間にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
事務の仕事を探す方法
事務職を探す方法には以下のようなものがあります。
ハローワーク
地域の求人情報が豊富で、子育て中の方向けの求人も多く扱っています。担当者に「子育て中なので○時までに帰れる仕事を探している」など、希望を伝えると適切な求人を紹介してもらえることもあります。
派遣会社
短時間や期間限定の事務職を探すなら、派遣会社への登録がおすすめです。ママ向けの求人を多く扱う派遣会社もあります。自分のスキルや希望の働き方を伝えれば、条件に合った求人を紹介してもらえるでしょう。
求人サイト
「主婦歓迎」「扶養内OK」「時短勤務可」などのキーワードで検索すると、子育て中でも働きやすい求人が見つかります。子育て支援に積極的な企業の求人を探せるママ向け求人サイトもあります。
知人の紹介
ママ友や地域のつながりを通じて仕事を見つけることもできます。「うちの会社で事務のパートを募集しているよ」という情報が入ってくることも。地域のコミュニティに参加しておくと良いでしょう。
クラウドソーシングサイト
在宅事務の仕事を探すなら、クラウドソーシングサイトの活用がおすすめです。クラウドワークスやランサーズなどのサイトでは、データ入力や文字起こし、経理補助など様々な事務作業の案件が出ています。
自分のスキルや空き時間に合わせて仕事を選べるのが魅力です。在宅事務としてのキャリアを積みたい場合は、まずは小さな案件から初めて、実績を積み重ねていくとよいでしょう。
事務職として働く際の注意点
子育て中に事務職で働く際の注意点をいくつか挙げておきます。

- 子どもの病気への対応:子どもが急に熱を出した時の対応を事前に考えておく
- 扶養内で働く場合の収入管理:年間の収入が扶養範囲内に収まるよう、働く時間を調整する
- スキルアップの時間確保:仕事に必要なスキルを身につける時間を確保する
- 家族の協力:家事や育児の分担について家族と話し合っておく
事前にこれらのポイントを整理しておくと、仕事と育児の両立がスムーズになります。
事務職で充実したワーママライフを
事務職は、安定した勤務形態や育児との両立のしやすさから、子育て中のママにとって人気の職種です。特に経験やスキルを活かせる分野を選ぶと、やりがいも感じやすいでしょう。
どの職種を選ぶにしても、自分の生活スタイルや子どもの年齢、得意なことを考慮して選ぶことが大切です。ライフステージに合わせて働き方を変えていくことも可能なので、無理なく続けられる働き方を見つけましょう。
次回は、ママにおすすめの仕事「接客・サービス職編」として、接客や対人での仕事についてご紹介します。様々な選択肢の中から、あなたに適した仕事を見つける参考にしてください。

三好夏枝/Natsue Miyoshi
大阪経営クリニック株式会社 代表取締役
メーカー勤務の傍ら、結婚・出産後の働き方と資産形成に不安を感じ、個人事業主として不動産の大家業を開始して、資産形成に着手。
その後、大阪経営クリニック株式会社を設立し、個人事業主や小規模事業者の売上アップ支援、ライティング業を軸に活動。「自分らしく輝く大人」を増やすことで、子どもたちが「大人になって働くことは楽しい」と将来に希望が持てる地域・社会づくりを目指している。