『ワーク・ライフ・バランス』という言葉をよく耳にするようになりましたが、この言葉の意味を正しく理解できていますか?実は、筆者もこの言葉の捉え方について、少し誤っている時期がありました。
仕事と生活の調和を目指して、プライベートを含めたキャリア人生が豊かになる方法をお伝えいたします。できることから、実践していきましょう。
目次
『ワーク・ライフ・バランス』とは?
『ワーク・ライフ・バランス』と聞いて、あなたの考えや理解に近いものはどれですか?
- 仕事の時間とプライベートの時間をはっきり区別し、均等な比率にすること
- 決められた時間以外に仕事をしないこと
- 仕事よりもプライベートを優先させること
- 仕事と生活を調和させること
『ワーク・ライフ・バランス』を考えるうえで、大切なポイントがあります。
- ポイント1:仕事と生活(プライベート)を相反するとみなすものではない
- ポイント2:一方を犠牲にして、もう一方の割合を増やすものではない
- ポイント3:どちらかを優先して満足するものではない
3つのポイントを読み解くと『ワーク・ライフ・バランス』とは「④仕事と生活を調和させること」と定義できそうです。
仕事と生活は歯車の関係
では、「仕事と生活を調和させる」とは、どんなイメージでしょうか?
例えば、仕事や生活(プライベート)は多様な形をしている歯車だとします。それぞれの歯車が自分のペースで回転していき、それが噛み合ってうまく歯車が回るイメージです。
仕事がうまくいけば生活が潤いますよね。生活が潤い、充実すれば心に余裕も生まれて、仕事にも気分良く取り組め、仕事も捗り成果につながりやすくなります。
仕事と生活(プライベート)は切っても切れない関係であり、相乗効果があると言えます。
ライフ・ワーク・バランスに対する企業の取り組み
仕事と生活(プライベート)の調和が図れるように、企業の取り組みや制度も見直され充実してきました。例えば
- 育児休暇や介護休暇の取得(パパの育児休暇についてのコラムはこちら)
- 短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入
- テレワークなど働く場所の自由度を上げる取り組み
- 長時間労働対策や福利厚生の充実
などがあげられます。
企業が従業員に提示してくれる制度や条件をうまく活用しながら、その時々に応じた理想の働き方を模索して、生活(プライベート)が潤うような過ごし方を考えることが大切です。
理想のワーク・ライフ・バランスの見つけ方
育児中は仕事もプライベートも忙しく、悩みや考え事で毎日モヤモヤがいっぱい。特に子育て時期は、将来を考えると不安になりがちです。
キャリアを断念して何がしたいか分からなくなったり、今後のキャリアに自信が持てなくなったりすることもあるでしょう。
そのほかにも
- 「〜であるべき」「女性だから」「ママだから」といった思考や意識の壁を感じる
- 「うまく伝わらない」「理解してもらえない」「評価されない」とコミュニケーションの壁を感じる
などの悩みや不安はつきません。
このような『不安』を払拭することが自分らしい『ワーク・ライフ・バランス』を見つける近道でもあります。実際の行動や思考回路を下記6つの観点から見直してみましょう。
①ロールモデル/メンター/サポーターを探す
あなたが不安に襲われたときや壁にぶち当たったとき、相談できる人や手を差し伸べてくれる人がいるだけで心の落ち着き度は違います。
周りに頼ってもいいんです。ひとりで抱え込まないでくださいね。
②会社の制度や福利厚生を活用する
会社の制度や福利厚生を活用することに躊躇していませんか。制度があるだけでは意味がありません。勇気を出して活用してみましょう。
「お互い様意識」でそれぞれの事情に合わせて補い合える風土ができると良いですね。
③『アサーティブコミュニケーション』で思いを声に出す
『アサーティブコミュニケーション』とは、自分も相手も大切にして、より良い関係を築く『自他尊重スキル』です。適切な関係を保ち相手を尊重しながらも自分の欲求や考えを率直に伝えることです。
相手の意見を真っ向から否定したり、自分の意見を封印したりせず、まず相手の意見を受け止めてから「そうなんだ。でも、私はこう思うよ」と誠実さを持って伝えてみましょう。
④時間管理・タスク管理を徹底する
仕事でもプライベートでも、限られた時間の中で、私たちには日々数多くのタスクがあります。
優先順位を考えながら行動することを心がけましょう。自分がやらなくてもいいものは思い切って任せることも大切です。タスクを「自分がやる、やめる」「方法・人を変える」に振り分け、整理してみましょう。
⑤余白の時間(MY TIME)を持つ
ちょっとした余白の時間が心の落ち着きを取り戻してくれます。
- 何もせずぼーっとする時間
- 趣味や自己啓発に没頭する時間
- 友人と過ごす時間
などを意識的に取り、心を整えましょう。余白がないと、身も心もお疲れモードになってしまいます。
⑥『アンコンシャスバイアス』に気づき、思考の転換をする
『アンコンシャスバイアス』とは無意識の思い込み・偏見のことです。家庭や職場などのさまざまな場面で、人は無意識の思い込みをしています。偏った見方をしたり、されたりしていませんか?
あなたがあなたらしく生きるため、仕事をしていくために『アンコンシャスバイアス』に気付きましょう。そして、気付いたら声に出して思考の転換をします。
あなた自身を成長させ、身近な方とのより良い人間関係の構築に繋がっていくでしょう。
まとめ
「仕事と生活の調和」を目指すために、できることから少しづつ実践していきましょう。今回のコラムを通して、プライベートを含めたキャリア人生がより豊かになるお手伝いができれば嬉しいです。
また、前回のコラムでは好感度アップのコミュニケーション術についてお伝えしました。自分の周りにいる方と、良好な人間関係を築くためのノウハウがたくさん!こちらもぜひ参考にしてみてください。
次回コラムで最終回。2023年10月25日公開予定です。お楽しみに!
(文)
鵜飼 千登静/Chitose Ukai
夢叶いJALの客室乗務員として国内線・国際線に乗務。その後、結婚、妊娠。しかし、育児休職中にまさかのJAL破綻。思いもよらぬ形で早期退職というつらい選択を余儀なくされる。
キャリアが途切れる不安から、娘1歳半より講師としてセカンドキャリアを築くが、小さい我が子を抱えての社会復帰に心身ともに限界に近づき、ひとり働き方改革!
現在はフリーランスの講師×キャリアコンサルタントとして、行政セミナー、企業研修、教育機関(高校・専門学校・大学)講義、就職・キャリアアップ支援など人材育成をメインとする。一人ひとりの個性や現在の状況と課題に着眼し、その方が描く未来に近づけるようファシリテーターとしての役割で人を導く。
・ホームページ Career Path Design