赤ちゃんの『指しゃぶり』についてのお悩みをよく耳にします。
また、『おしゃぶり』を愛用されているママも多く、歯並びへの影響や、サイズ選び、お手入れ方法などの衛生面も気になるとのお声も多いです。
そこでこのコラムでは、赤ちゃんの『指しゃぶり』の意味や、『おしゃぶり』について詳しくお伝えしていきます。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
目次
赤ちゃんの『指しゃぶり』について解説
①哺乳の準備と脳への刺激
『指しゃぶり』は、哺乳(おっぱいやミルクを飲む)にかかわる行動です。赤ちゃんはお腹の中にいるときから指しゃぶりをしており、哺乳の準備をしています。
生後間もない赤ちゃんの口と手の感覚器はとても敏感です。この時期は、口や手から脳に伝わる刺激が多いため、その役割はとても大切になります。
赤ちゃんにとって指しゃぶりをすることは、本能的であり魅力的な脳への刺激と言われています。
②指の感覚をつかむため
赤ちゃんは指の感覚をつかもうと『指しゃぶり』をします。
月齢の低い赤ちゃんは、自分の手を自分のものとは認識していないため、指しゃぶりをすることで自分の指を体の一部と認識するようになります。
そのため、認識するまでは、指しゃぶりをしっかりする必要があり、その行動が意味のあることだと考えられます。
③安心感と幸福感
『指しゃぶり』をすることは赤ちゃんにとって、安心感や幸福感を得る行動とも言えます。
成長するにつれ、できることが増えると、指しゃぶり以外の様々な活動からの刺激により満足感を得ることができるようになります。その結果、指しゃぶりをする必要がなくなるため、個人差はありますが、幼児期の後半ごろに自発的にやめていくと言われています。
④『指しゃぶり』の頻度に注意
『指しゃぶり』は、赤ちゃんの発育と成長にとって重要な行動になります。
しかし、幼児期を迎えても、持続的に行われる場合や頻度が多い場合は、今後の歯並びや口の発達に影響を与える可能性があるため、歯医者さんにご相談ください。
『おしゃぶり』について
育児のお助けアイテムとも言われる『おしゃぶり』についてみていきましょう。
①お口のサイズに合わせてあげよう
『おしゃぶり』には、様々なサイズや種類があるのはご存知ですか?
月齢の目安でサイズ展開があるので、使用する際はお子さんのお口に合わせて選んであげましょう。
②清潔に保つためには消毒をしてあげよう
衛生面はママにとって気になるところですよね。赤ちゃんのお口に直接入るものなので、使い終わった際などは小まめに消毒をして清潔に保つようにしましょう。
消毒方法については素材によっても異なるので、各メーカー様の取り扱い説明書を参考にしてみてください。
③『おしゃぶり』に頼り過ぎには注意
『おしゃぶり』は鼻呼吸を促すなどの利点もあるようで、使用されているママも多いと思いますが、赤ちゃんが鼻呼吸をできるようにするために無理に使わなくても大丈夫です。
また、小児歯科学会の見解では、2歳を過ぎて奥歯のかみ合わせができた後もおしゃぶりの使用が続くとかみ合わせに影響がでやすく、唇の閉じ方や舌の使い方にも問題が生じやすくなると言われています。
おしゃぶりに頼り過ぎず、成長に合せて、赤ちゃんとの会話やふれあいの時間をつくってみてくださいね。
まとめ
いかがでしたか。『指しゃぶり』と『おしゃぶり』は、赤ちゃんの発育と成長に深く関わる重要な行動となります。
ただ、気をつけたいのは、『指しゃぶり』や『おしゃぶり』に頼り過ぎないこと。成長に合せて、赤ちゃんとのふれあいや会話を大切にしながら、お口の健やかな発育のために、適切に活用していきましょう。
赤ちゃんの成長をサポートするための『指しゃぶり』や『おしゃぶり』についての正しい知識、ぜひ参考にしてみてくださいね。
次回は、2024年8月15日公開です!お楽しみに!
(文)小牧圭美/Kiyomi Komaki
歯科衛生士歴23年 二児の母。
歯科医院勤務後、歯科衛生士養成校にて10年以上教育に携わり、担当患者数は歯科診療補助・歯科予防処置を含め、40,000人以上。結婚・出産後に退職し、離乳食をきっかけに食育インストラクターや健康咀嚼指導士を取得。介護士として施設で働く経験も持つ。
現在は、現役の歯科衛生士として大学で歯科衛生士教育に非常勤で携わりながら、乳幼児健診も行う。また、自身の経験から必要性を感じた人財育成として専門家へのコミュニケーション研修や教育機関、介護施設でお口の大切さを伝える講師をしている。
2022年より阪神梅田本店にて、ママそら講師として0歳ママさんを対象に「赤ちゃんのお口育て講座」を開催。2023年には「歯科医院お仕事マニュアル」共著で出版。