あなたは「もう少し上手にコミュニケーション出来たら」と思ったことはありませんか?
人は起きている間の80%をコミュニケーションに費やしていると言われています。その⼿段は大きく4つに分かれ、⼀般的なウェイトは、聴く(45%)・話す(30%)・読む(17%)・書く(8%)と言われています。
そう、私達は⽇常生活の大部分を話したり聴いたりして過ごしているのです。
人間関係を築く上で大切なコミュニケーション。
コミュニケーション上⼿になり皆さんの生活がより豊かになるよう、3回に渡り親子のコミュニケーション、家族のコミュニケーション、仕事場でのコミュニケーションをテーマに、お届けいたします。
第3回目は『仕事場でのコミュニケーション』についてです。
目次
仕事場でのコミュニケーションのコツをつかみ、仕事をもっとスムーズに
社会で⽣きていく上で、他とコミュニケーションを取らずに⽣活することは⾮常に困難です。
そもそも、コミュニケーションとは「交流・伝達し合うこと」を指します。⼀⽅通⾏ではなく、⽮印が双⽅に向き合って⽣まれてくるもの。キャッチボールです。
キャッチボールも⾃分のことばかり考えているものでは受け取る⽅は疲れてしまいます。お互いが⾃分軸ではなく、相⼿に寄り添い相⼿の⾝になること、相⼿軸に⽴つことが⼤切です。お互いを尊重し、相⼿の⼼に寄り添うことで円滑なコミュニケーションが⽣まれます。
また、コミュニケーションにはバーバル(⾔語)とノンバーバル(⾮⾔語)の2つの要素があります。⾔葉で話すだけがコミュニケーションではないのですね。
第一印象が重要!?
コミュニケーションにおいて第⼀印象はとても⼤事です。
第⼀印象はたった3~6秒で決まるいう説があり、⾯⽩いことに30秒ほど時間をかけて相⼿の第⼀印象を聞いても、ほぼ同じ答えが返ってくるという統計も出ています。
『メラビアンの法則』では、印象は視覚情報(表情、服装、髪型、ジェスチャーなど外⾒上のもの)が55%、聴覚情報(話し⽅や、話すスピード、トーンなど)が38%、⾔語情報(会話の内容)7%で決まると⾔われます。
それでは実際にはどのようにすれば、仕事場で好印象を与えるコミュニケーションがとれるのでしょうか。
仕事場のコミュニケーションの極意① 『笑顔で挨拶・笑顔の声』
『笑顔』は第⼀印象を決める上で、とても重要な要素です。
⼝⾓をぐっと上げて、笑顔で「おはようございます」「お疲れ様です」と挨拶をしていきましょう。無表情よりも⼝⾓を上げて笑顔になると、声帯も引き上げられ明るく⾼い声が出ます。
笑顔の声は周りの⼈にも良い影響を与えます。⾃分から笑顔で声をかけていくことで、より話しやすい雰囲気となり、良い⼈間関係が育まれます。
仕事場のコミュニケーションの極意② 『傾聴⼒でコミュニケーション』
「話し上⼿は聴き上⼿」「コミュニケーション上⼿は聴き上⼿」という言葉をあなたは聞いたことはないでしょうか?
⼈は誰でも「⾃分の話を聴いてほしい」と思っています。だからこそ⼈の話を上⼿に聴いてあげると⼈間関係が深まるのです。
相⼿に好かれる聴き⽅を『傾聴』と⾔います。『聴』と書くように、⽬・⽿・⼼、五感すべてを使って、相⼿に寄り添って傾聴することで、相⼿は癒され安心して話をすることができるようになります。
コミュニケーション上⼿の基本は7割相⼿の話を聴き、⾃分の話は2割、沈黙1割です。
普段のあなたの割合はいかがですか?意外と⾃分の話ばかりしていないでしょうか。
ここで少し驚かれるかもしれませんが、『沈黙』も会話の重要なスキルです。理想は15秒以上黙って話を聴くことです。相⼿の話を聴く時には、沈黙を怖がらないようにしましょう。
仕事場のコミュニケーションの極意③ 『傾聴スキルのあいうえお』
ここで傾聴スキルの極意として、
傾聴『あいうえお』をお伝えします。
『あ』…アイコンタクト
『い』…あいづち。「ハイ」「そうですか」「へえ〜」「⼤変でしたね」「それからどうしたのですか」など、話の中で挟む合いの⼿⾔葉。
『う』…うなずき
『え』…笑顔
『お』…オウム返し。相⼿の⾔葉をそのまま返すことにより、共感しているという意思表⽰ができます。
この中で⼀番簡単なのは「うなずき」です。うなずくときのポイントは「⼤きく90度以上」「1回または2回」です。
⼈は誰でも「他⼈に認められたい、肯定してほしい」という気持ちを持っています。うなずくと相⼿は「認められた!」と嬉しくなり、どんどん⾃⼰開⽰してきます。「うなずく=承認された」と感じるのです。
そして話の最後に、相⼿の話を要約して返してあげましょう。
やってはいけない話の聞き⽅
ここで、コミュニケーションを断ってしまう『やってはいけない話の聞き方』もお伝えしますね。
それは
- 相⼿を⾒ない
- 話の途中で⼝を挟む
- 否定的な表現を多く使う
- 相手の意見に真っ向から(真正面から)反対しない
良好な⼈間関係は、相⼿を承認することから始まります。
相⼿の意⾒に賛成できなくても、まずは⼀旦受け⽌めてから話すようにしましょう。
話を聴くという⾏為は、相⼿を認める表現⼒です。話の聴き⽅を少し意識するだけで⼈との距離はグンと近くなり、コミュニケーションが育まれていきます。
相手を思いやる心や言葉から生まれる温かい人間関係
いかがでしたか?3回にわたり、コミュニケーションの極意をお伝えしました。
まずは⾝近な家庭や社会で、相⼿を思いやる⼼や⾔葉を発信することから始めてみましょう。
温かい⼈間関係が⽣まれ、より良いコミュニケーションが形成されるはずです。
⽇常⽣活で相⼿と⼼を通わせることで、共に⽣きる喜びや感謝を知ることができます。
お伝えした中から何か役に⽴つことがあれば嬉しいです。ぜひライフスタイルに取り⼊れてみてください。
河⽥ 京⼦/Kyoko Kawada
フリーアナウンサー/話し⽅・コミュニケーション術講師/アナウンスコンシェルジュ®
K・アナウンススペース合同会社代表、神奈川大学工学研究所特別研究員、韓国⼤大邱観光名誉広報委員NHKはじめ⺠放各局でMC やリポーターなど現役アナウンサー歴25年以上。みのもんた氏と長期に渡りラジオ番組共演、テレビ朝⽇生CM など出演多数。またフリートークを得意とし、著名⼈人とのトークショーも多数。イチロー選⼿、⾼橋尚子、尾木ママ、柴崎コウなどと共演。
長年の経験とスキルを活かし、アナウンス、話し⽅方、コミュニケーション術、ミスインターナショナルスピーチトレーナー、ビジネスマナー講師としても多岐にわたり活動。大学、企業向けセミナー、個⼈人向けレッスンなど受講者からも好評を得ている。
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