離乳食の後はどうすればいいかご存知ですか?離乳食の情報はたくさんあるけれど、その後を教えてくれる本や記事は少ないですよね。
離乳食が完了しても、すぐに大人と同じものを食べられるわけではなく、その次に『幼児食』が始まります。
そこで、「幼児食ってどんな食事?注意点と知られざる役割」についてお伝えします。
幼児食とは、どんな食事なのか
幼児食とは、大人の食事にスムーズに移行するための準備期間の食事のことです。
離乳食が終わった後も、まだ噛む力や味覚、消化機能が十分に発達していないため、調理方法や味付けを工夫してあげましょう。
また、この時期は心身の成長が非常に活発な時期でもあります。
子どもの健やかな成長を促すために、幼少期から良い生活習慣を日頃から身につけて、食事を楽しいと感じる経験をたくさんさせてあげましょう。
幼児食の3つのポイントと役割
幼児食は離乳食から大人の食事に近づけていく準備期間
幼児食とは、一般的に離乳食を卒業した1歳すぎから6歳ごろまでの食事のことを指します。
子どもが形のある食べ物を噛み潰すことができるようになって、エネルギーや栄養素の大部分を母乳やミルクではなく、食べ物からとれるようになった時から幼児食が始まります。
ある日突然幼児食に切り替わるのではなく、離乳食完了期と重なりながら徐々にスタートしていると考えてください。
幼児食をつくる時は、お子さんの歯の生え具合や、食べる量に応じて適切な食事を作るように下記のポイント3つを意識してみましょう!
ポイント1 硬さ
例えばお子さんがいつまでたっても食べ物を口の中に入れたままといったことはありませんか?
それは、食材が硬くて噛み疲れてしまっているのかも知れません。
まず、全ての乳歯が生えそろう頃は3歳半前後といわれています。
20本の乳歯全てが生えても大人の歯より本数が少ない上に、子どものあごは成長の途中のため、噛む力が弱い為、離乳食から卒業したとしても子どもは大人と同じような食事は、まだ食べることができません。
また大人と同じように噛めるようになるのは16歳頃、高校生になってからです。
大人の噛む力を100%とすると、10歳・小学4年生頃にようやく75%の力となります。小学校入学前の6歳の頃でも、まだ40%しかありませんから、幼児食には食材の硬さへの配慮が必要です。
個人差はありますが、1歳半頃から奥歯が4本生え始めます。口の中で自分ですりつぶして食事が食べられるようになります。乳歯が10本以上生えていると、偏りなくいろんな歯を使って噛めるようになります。
ポイント2 調理法
歯の成長の観点からも、3歳ぐらいまでは固いものは推奨されていません。もし、硬いものや噛みにくいものを食材に使う場合には、調理法を工夫しましょう。
ポイントは
- 噛み潰せる大きさ
- 食材を薄くする
ことです。
また、レタスやわかめ、海苔などは、噛みにくく飲み込んでしまったり、喉につかえたりしてしまいます。そういった場合は、細かく切ったり、スープに混ぜたりすると食べやすくなります。
子どもが噛んでいる様子も見て、丸呑みはしていないか、どこかの歯だけで噛んでいないかも注意してみてみましょう。
ポイント3 味付け
さらに、まだ消化機能も発達の途中なので、味つけにも注意が必要です。
味付けは『薄味が基本』です。
塩分過多、濃い味、刺激物などは生活習慣病を招くリスクもあるので、注意が必要です。
3歳までは大人の1/3程度、6歳までは大人の1/2程度の味つけになるように調節しましょう。
だしをしっかりきかせると、大人も薄味で十分に満足できますよ。
余談ですが、日本人は塩分の取りすぎが問題視されていますので、親子で薄味を楽しんでみるのもいいですね!
幼児食の知られざる役割とは?
幼児食とは『子どもの学習』
実は、食べること・補食は、「技術を学ぶ」ことが必要です。
私たち大人はスマホやテレビを見ながらでも何気なく食べることができますが、食べるって実はとても難しいことなんですよ。
食べることを始めたばかりの離乳食初期は、大人がスプーンで赤ちゃんの口元に運びます。子どもはくちびるで食べものを取り込んで、舌でまとめて飲み込むことを学ばなくてはなりません。
さらに手づかみ食べが始まると、適度な位置に手を運んで、適度な力でつかんで、口の近くの適度な場所に食べ物を運ぶという新しい技術の習得が必要です。
スプーンや箸をつかうようになると、道具を操る技術が加わります。
準備するママも大変ですが、食べる子どもたちも大変だったんですね。
お腹のなかにいたときから考えると、幼児食を一人で食べられるようになることはたくさんのことを学んで大きく成長した結果といえます。
食事は、子どもに必要なエネルギーや栄養素を取り込むだけでなく、食べることを通して心も育てる大切な場所です。
幼児食で『自立』を促す
また幼児食に進むことで、ママと子どもの位置関係も大きく変わります。
ママのお腹の中にいた頃は、文字通り母子一体でした。誕生した後は、母乳でも哺乳瓶をつかっても、まるで母子一体のように子どもをしっかり抱きしめます。
離乳食が始まると、一さじずつ与えるときので、ママが子ども目の前に座ります。
やがて手づかみ食べが始まり、ママと子どもの間にテーブルが置かれます。
たったテーブル一つ分の距離ですが、胎内から始まって、授乳、離乳食と徐々にママから離れて、一人で食べることは自立の大きな一歩といえるのです。
『幼児食』について、どのようなものか大まかなイメージをいただけましたか?
このように幼児食とは硬さや味付けに注意が必要なもので、大人の食事とは違います。更には幼児食は子どもの成長のために必要なだけではなくて、学習と自立を後押しする役割もあります。
そんな大切な幼児食、毎日のことですから楽しい時間にしたいですよね!
そこで、幼児食のお悩みの解決法も紹介しています。
また保育園などで提供される給食は、こどもの成長に合わせ調理の工夫がされていますので、参考になるかも知れません。
ちなみに、ヤクルト保育園では手作りの給食を提供している園もあり、給食試食会なども開催しています。
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