今、子どもの便秘が増えているのをご存じですか?
幼い頃から便秘や下痢など、おなかの不調に悩む子どもたちは5人に1人。とても多いのが現状です。
第3回目のコラムでは「子どもの便秘解消! 排便チェックのポイント」についてお話しします。
子どもの便秘解消! 排便チェックのポイント
子どもが便秘になるきかっけ3つ
子どもが便秘になりやすいきっかけは
- 母乳から離乳食への移行時
- トイレトレーニング時
- 通学スタート時(学校での排泄を避ける)
の3つが挙げられます。
子どもが小さなうちは毎日の排便の回数や便の状態を見て健康状態を親が把握できますが、成長し自分でトイレに行けるようになると、排便リズムを確認することも減ってしまいます。
口から食べたものが胃や腸を通過し、栄養素・水分の吸収が行われ、最後に残った食べもののカスが便として排出されます。
それは、不要なものを外に「出す」力がきちんと働いているという証拠。便の状態を見ることは、便秘を改善することや食を見直すために欠かせないことなのです。
良い便とはどんな便?
便の状態を見るときにチェックしてほしいのは「色、におい、形」の3つです。
良い便は、黄色~黄土色、においが少なく、スルリと出てくるバナナ状の便です。
1 色
日常からごはんをしっかり食べているお子さんは、便の色が黄色~黄土色の傾向があります。これは腸内環境が整って、善玉菌が多いことを示しています。
こげ茶~黒っぽい便は、脂質やお肉などが多い食事バランスで、便が腸内に溜まってしまっている場合によく見られます。
2 におい
健康な便には、本来ほとんどにおいがありません。
でも排便がうまくできず、腸内に便が長くと悪臭のもととなるガスがたまり、臭いがきつくなっていきます。
3 形
スルリと出てくるバナナ状の便が理想的な便です。
コロコロ・カチカチの便は
- 水分不足
- 食物繊維不足
- 食べる量が不足(=便の材料不足)
- 緊張やストレスなどで消化吸収機能が低下している
- 運動不足
が考えられます。
ドロドロ、水様便は
- 冷たい物の摂り過ぎ
- 食べすぎ
- 冷房や冷たい物での冷え
- 緊張やストレスなどで消化吸収機能が低下している
が考えられます。
便秘度をチェックしよう!
便秘になる要因は食べる食材以外にも。
排便時に痛みを感じたことがあると便意を我慢したり、便がたまった状態に慣れてしまい便意を感じにくくなっていたり…。便秘のせいで排便習慣が身につかず重症化してしまい、悪循環に陥る子どもが増えています。
便秘の診断基準として、子どもの場合、以下の項目に2つ以上あてはまる状態が1か月以上続いていると便秘と考えられます。早速チェックしみましょう!
- 排便の回数が週3回より少ない
- いつも便が硬い
- 便の量が少ない(どんぐり2~3個程度)
- おならがくさい
- するっと便が出ない
- 排便時に痛がる
- 排便時に出血がある
- トイレに詰まるような大きな便を出したことがある
- 下腹に便の塊があるのを感じる
排便があっても量が少なかったり、硬すぎたりして「スッキリ」と出せていない状態は便秘の可能性があります。
普段から便秘のサインを見逃さず、早めに対処していきましょう。
便の観察から食生活を見直そう
便の観察をすることは食生活を振り返ることにも役立ちます。小学生くらいになったら、子どもに自分の便の状態をチェックしてもらうようにするとよいでしょう。
例えば
冷たいアイスやジュース、ゼリーばかり食べていたら、おなかが痛くなりゆるい便が出たら
「うんちがゆるいのは、冷たい物をたくさん食べたからだね、冷たい物は少し控えようね」
お肉が大好きでお肉ばかり食べていたら、おならが臭くてコロコロ便ばかり出たら
「コロコロ便が続くのはお肉ばっかり食べたからだね。お腹をキレイにしてバナナうんちを出すためにも今日はお魚とかワカメも食べてみようか」
というように、子どもが分かりやすい言葉で説明して、子ども自身が健康や便に興味をもつようになるといいですね!
まとめ
「便」はからだからの「お便り」。毎日の便の状態から、家族みんなで食生活を見直していきましょう!
菅野 香澄/Kasumi Kanno
管理栄養士/発酵食エキスパート1級/上級食育アドバイザー
管理栄養士として病院勤務に携わり、延べ3000人以上の栄養サポートを実施。現在はフリーランス管理栄養士として市役所や学校依頼の栄養講座の開催、支援センターでの離乳食相談会やコミュティカフェでのメニュー監修などを行う。その他、発酵調味料の講師育成、家族やママ自身の健康サポートをオンラインで開催。発酵調味料で家族みんなが幸せになる循環を増やすために活動中。