「お金の話」と聞くと、抵抗がある方もいるかもしれません。
日本人は世界に比べ、お金について考えることを積極的にしてきませんでした。ですが、今は国がNISAやiDeCoといった資産運用を推奨し、2022年からは高校生の金融教育もスタートしました。
働き方に関しても副業が当たり前の時代に。
そこで、このコラムではわかりやすく人生においてのお金の考え方についてお伝えをしていきます。
第一回目は『ママたちが自分らしくお金に向き合う価値観について』です。
専業主婦業は年収にすると○○万円!ママが自分らしくお金に向き合うために
お金を稼がないことに関して劣等感を感じている専業主婦の方は少なくありません。
家計の中心となっているパパの収入から「お金をもらっている」という意識が、ママたちにはあるようです。ご自身が収入がないと考える分、お金を節約する状況に繋がっている方も。
でも、よく考えてみてください。
専業主婦の仕事の価値は0円なのでしょうか?
『名もなき家事』にも価値がある
家庭内での仕事に対して、もし給料や報酬が発生するとしたら?その価値を考えたことはありますか?
ご飯を作る、洗濯をする、掃除をするという一般的に家事と呼ばれるものだけではなく、献立を考える、調味料を補充する、子どもの学校や幼稚園・保育園の準備、宿題を見る、ポストの不要なチラシの処分…という、いわゆる『名もなき家事』がたくさん。お子さんが小さいときは自分の時間もほとんどありませんよね。
2023年4月現在、東京都の最低賃金は1,072円ですが、その最低賃金ではバイトの採用も難しい時代です。
さらに、最近では家事代行サービスで時給1,500円~2,500円という求人を見かけます。ベビーシッターでは時給1,500円~3,000円くらいが多く、このことからも実際に、家事や育児は仕事として価値が認められていることがわかります。
実際に家事をお金に換算するといくら?
それでは仮に専業主婦の時給を2,000円として考えてみましょう。
朝7時から活動し、すべての仕事を終えて23時に寝る。365日休みなんてありません。
すると、
- 2000円×16時間×365日=1168万円
なんと、専業主婦の年収は1000万円以上なのです!これでも安いと筆者は思います。
無償で、これだけの仕事をしていることにママ自身も家族も気づいてください。
『家事』という仕事の価値
社会では誰かの役に立ったとき、誰かに喜んでもらえたとき、対価としてお金を得ることができます。だから本来、家事の仕事は報酬を得るべきです。絶対に家族みんなの役に立っていますから。
とはいえ、ではその時給を誰に払ってもらうのか、となると、現実問題は難しいです。
ただ、少しでも『家事』という仕事に価値を感じ、そして生活費を受け取るにしても、しっかりと対価を受け取っているんだと感じてもらえたら嬉しく思います。
まずお金と向き合う前に、まずはあなた自身の価値をしっかりと認識してくださいね。
自分らしくお金と向き合うために
現代の社会では、ライフスタイルに合わせて働き方は変えやすい時代となりました。
だからこそご自身として「お金」という対価を得るために、「子どもが幼稚園に通い始めたから」「扶養の範囲内で」など、できる範囲を考えて仕事を探してみることもいいでしょう。家事や育児以外にも、社会に貢献することでポジティブになれる方であればなおさらです。
自分のためにも仕事をして収入を得ることは良いことです。自分らしくお金と向き合うためにも、働くことはプラスになります。
そして家計を支えるのであれば、しっかりと胸を張って『家事』という仕事の分担もしていってみてください。
今回は精神論的なお話が多くなりましたが、
次回コラムでは実際に家族でのお金を見る際に、まず考えるべきライフプランについてお伝えします。お楽しみに!
近藤 賢一/Kenichi Kondo
子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー事務所RAC代表。
『関わる全ての子育て世帯が、知らないことで損をしないため』に難しいお金の話を分かりやすくワクワク伝えるプロ。
年間100世帯以上の子育て世帯の家計相談や資産運用、住宅購入等ありとあらゆるお金の相談に対応。毎日配信される公式LINEは「無料で気軽にお金や制度、経済の情報を得ることができる!」と大好評。大人だけでなく子どもの金銭教育にも力を入れ、お金の大切さやお金の稼ぎ方を伝えるオンラインスクールも開講しています。
大学生のアメリカンフットボール部のコーチもしながら、明るく楽しく人生100年時代を生き抜く力をつけるための並走者として活動中です。