言語聴覚士
三重県在住。夫、長男3歳の3人家族。
言語聴覚士7年目。病気や障害で「話す」「聞く」「食べる」という動作が上手く出来ない方に対して訓練や指導、支援を行なっている。 産休育休を経て、長男が1歳の時に正社員として職場復帰。
目次
産後復帰への不安を和らげてくれた先輩ママたち
私は今、言語聴覚士として地域の病院のリハビリテーション科で働いています。子どもを出産する前から働いており、現在3歳になる息子が1歳の時に職場復帰をしました。
しかし職場復帰の際には大きな不安がありました。
育休中、食事づくり、遊び、寝かしつけ、子どもが寝ている間に家事と、世の中のお母さんたちにとっては当たり前のことかもしれませんが、私にとっては毎日が目まぐるしく感じました。
更にこの状況に加えて『働く』ということに、「生活の流れや家族、自分の精神面はどうなるんだろう…」という不安がありました。何よりも、一日中一緒に過ごしていた子どもと、日中離れることが寂しくてなりませんでした。
「復帰、という選択で本当によかったのか…」「子どもがもう少し大きくなって、言葉が理解できるようになって、理解を得てから仕事復帰するほうがよかったのか…」と何度も何度も、自問自答しました。
そんな時、職場の子育て中の同僚ママが「両立は大変だけど、仕事の時間、家族の時間とメリハリが出来るよ」と声を掛けてくれて、私の不安を和らげてくれていました。
段々と復帰に対しても前向きに捉えられるようになり、「復帰して働いてみて、自分の気持ちがどう動くか向き合ってみよう!やってみよう!」と感じるようになりました。
『両立完璧ママ』ではなく『元気な母』がいい!
いざ復帰すると、産休育休のブランクからか、患者さんとのコミュニケーションの取り方や評価、訓練の立案に困惑しました。また業務を効率よく行えず、1日があっという間に過ぎていく日々でした。
しかし、そのことを相談し、上司や同僚の配慮から、余裕を持って業務に取り組むことができました。
復帰直後は、「子どもといる時間が限られるから、常に子どもとの時間を出来るだけ多くしたい!」と、子どもを寝かしつけてから掃除や次の日の朝や夕食の準備をしていました。
「育児も仕事どちらも頑張っている!」と感じることで自分の気持ちも高まりましたが、睡眠時間が少なく、疲れが取りきれないためか、次第に心身ともに疲弊してきました。
そこで、「完璧じゃなくてもいい!母が元気でいなければ!」と思うようになり、手を抜くことや周りを頼るようになりました。家事を残したまま、子どもと一緒に寝たりすることも沢山あります。
家事は分担制。お互いのことを話し合い、支えあう
主人も私が出産後も仕事を続けることには賛成していくれています。仕事の話を聞き、相談にものってくれます。
また、復帰直後から『家事は分担制』が自然と定着し、私は料理、主人は洗濯担当となっています。
たまたま同職種で重なる部分が多く、仕事の話をしたりお互いのことを話し合い、時には悩みを知ることも大切だと感じています。
子どもも仕事を応援してくれています。
以前、私が風邪を引いてご飯が食べられず寝込んでいた時に、息子が「ママ、元気が出るようにおにぎり作ってあげるね」とおにぎりを作ってくれました。子どものおにぎりは不思議と食べることができ、今まで食べた中で1番美味しいおにぎりでした。
近くに住む祖母にご飯をお願いしたり、ご近所さんがおかずを分けてくださったりと、周囲の助けがあってこそ両立ができていると、日々感謝しています。
同年代子育て中ママの多い職場。お互いの仕事をフォローしあって
職場では、同年代の幼い子どもがいるスタッフが多いので、子どものことを話しあう機会が多く、協力や理解が得やすい環境です。
私の職場は、本来は木・日曜日がお休みなのですが、主人の職場が土日休みなので、私も土日休みをいただいています。子どもの園の行事は土曜日が多いため、配慮が得られて助かっています。
その分、土曜日に出勤しているスタッフに担当の代行してもらい、その代わりに木曜日休みのスタッフの担当代行をするなど、仲間同士でフォローをしあっています。
子どもの体調不良で急なお休みを取る場合も、スタッフに代行として担当患者さまの訓練をお願いしたりと協力が得やすいです。
自己成長に繋る、やりがいのある仕事
私は、『言語聴覚士』という仕事は、患者さんの大切な人生の一部分に携わる仕事だと日々感じています。
仕事の内容としては、患者さんの症状の評価を行い、目標に向けて訓練を実施しています。チームアプローチとして様々な職種の方々と話し合いを行い訓練を進めていますので、毎日が勉強です。
脳梗塞の後遺症でお口から食べることが難しくなった方に対して、嚥下訓練を行うこともあり、そこには誤嚥(唾液や食物、胃液などが気管に入ってしまうこと)や肺炎といった、命に関わるリスクも隣り合わせにありプレッシャーもあります。
しかし、それ以上にやりがいや喜びもあるのです。
以前、脳梗塞の後遺症でお口から食べることが困難になった方が、訓練を通して食べることが可能になりました。好きなものを食べられることを喜ばれ「ありがとう。夢のようです」と涙ながらに喜びの声、笑顔をいただけたこと、その方の人生に携われた喜びが自分自身の成長の糧にもなりました。
また重症度の高い患者さんから、訓練を通して表情の変化や笑顔がみられる等、その方の人生の一部分に寄り添う機会をいただけることに日々喜びを感じています。
そして同時に、日々精進していかなければという思いもあります。目標に向かってチームで連携していくことが、自分の成長に繋っていると感じています。
「子どものために…」と復帰をためらうあなたへ
子どものためにまだ仕事に出るのは早いかなと、働くことをためらう方もいらっしゃると思います。私もそうでした。
しかし実際に仕事をしていて感じることは、仕事での様々な方との関わりが自分の成長に繋がり、人として成長出来ることで、イキイキとしたお母さんになれていくのでは、ということです。
踏み出すまでが大変だと思いますが、実際に踏み出してみると新たに得るものがあり、踏み出して良かったと感じられると思います!
06:30 | 起床、朝食·お弁当づくり |
---|---|
07:00 | 子ども起床、朝食、登園準備 |
07:50 | 園へ送迎 |
08:45 | 出勤、仕事開始 |
13:00 | 昼食 |
17:00 | 退勤、仕事終了 |
18:00 | 園へ迎え |
18:30 | 帰宅、夕食準備 |
19:00 | 夕食 |
20:00 | お風呂 |
21:00 | 家族団らん |
21:45 | 子どもの寝かしつけ |
22:00 | 明日の準備・家事 |
23:00 | 就寝 |