会社員以外のキャリア選択 個人事業主になる前に知っておくべきこと/ママのためのお金のコラムvol.5

暮らし

『お金の話』と聞くと、どうしても避けてしまったり、抵抗があったりする方もいるかもしれません。このコラムでは、お金を知ることで人生が明るくなる方法をお伝えいたします。

前回のコラムでは、ママが働くときに必ず悩む『扶養』についてお伝えしました。今回は「会社員ではなく個人事業主としての働くための基本知識について」お伝えします!
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会社員以外のキャリア選択 個人事業主になる前に知っておくべきこと

専業主婦が仕事を始める時の選択肢として、

  • 正社員として働く
  • パートで扶養内で働く、または扶養を外れて働く
  • 個人事業主として働く

などがあげられます。

個人事業主と聞くと、なんとなく起業するイメージでハードルが高く感じてしまいがち。しかし、そんなことはありません。個人事業主という働き方について詳しく見ていきましょう。パソコン仕事 個人事業主 フリーランス 女性

 

個人事業主ってどんな働き方?

『個人事業主』とは「法人を設立せずに、個人で事業をしている事業主」のこと。簡単に言えば、法人を立ち上げずに事業している人のことです。

会社を立ち上げるとなると、それなりの準備が必要ですが、個人事業主は個人でお金を稼いでいこうと考えた時にすぐ始められます。

 

個人事業主になるメリット

個人事業主には、どんなメリットがあるのでしょう。

メリット① 自由な働き方ができる

働く時間や休日もすべて自分次第!就業時間の縛りがないので、自分の一番働きやすい時間帯で仕事をすることができます。

さらに働く場所も制限がありません。店舗や事務所を構える場合は別ですが、基本的にはその身一つでどこでも仕事ができるということです。

時間、休日、場所の自由度が高いことは、個人事業主の最大のメリット。育児中のママにはありがたい働き方です。女性 ニット マグカップ

 

メリット② 高収入を得ることができる

働き方が自由であるため、稼ぎ方もそれぞれです。たくさん稼ぎたい方は自分の能力や働き方次第で高収入を得ることも可能です。定年退職もなく、いつまで働くかも決められます。

人生100年時代に、できるだけ長く収入を得ることも一つの価値観。逆に早くに稼ぎきることも可能。家庭を優先する時期や仕事を頑張る時期など、自分で決めて活動できることも個人事業主ならではのメリットです。お札 収入 一万円 お給料 お金

 

メリット③ 開業のコストがかからない

個人事業主として開業をする際、開業届を税務署に提出するだけです。特にコストはかかりません。法人では法人登記、資本金、その他の費用が多くかかります。

 

個人事業主になるデメリット

個人事業主になることのハードルは、思ったより低くなったのではないでしょうか。では次に、デメリットについてです。

デメリット① 収入が不安定になる

会社員や公務員のように毎月決まった安定的な収入はなく、働き次第で変動します。

高収入を得られる可能性もある反面、売上が多い月や少ない月もあります。働き方によっては安定的な収入が得られないケースもあります。

このデメリットについては、本当に自分次第。取引先によっては安定した収益が得られる事もあります。収入面が変動することが個人事業主の最大の不安ではないでしょうか。悩む 女性 キャリア キャリアウーマン

 

デメリット② 社会保険料が自己負担になる

会社員の場合は健康保険、介護保険、年金保険は『労使折半』といって、「会社が半分、社員が半分負担」しています(※扶養に入っている場合は、ご自身の負担額は0円です)。個人事業主となると半分支払ってくれる会社がないため、全額が自己負担となります。

  • 国民健康保険
    地域によって金額が異なります。全額自己負担ではありますが確定申告で控除の対象です。
    国民健康保険による保障内容も変わってくるので注意が必要です。
  • 国民年金
    会社員との大きな違いで、国民年金のみ支払います。会社員や公務員はここに上乗せで厚生年金・共済年金などがあります。積み立てている金額が多い分、将来受け取る年金額が多くなります。

個人事業主は、将来受け取る年金額が少なくなるという点を理解して、自分でお金の対策をする必要がありますお金 貯金 計算 家計簿 ライフプラン マネープラン

 

デメリット③ 税金に関する考えが変わる

会社員や扶養に入っていると会社が年末調整をしてくれるので、税金を申告する機会はほぼありません。しかし、個人事業主はこれらの税金の申告を自分で行わなければいけません。

一年間の売り上げや経費を計算して確定申告をします。自分で行う方や、税理士にお願いする方もいます。難しそうなイメージがありますが、オンラインでの申告も可能で誰にでも簡単にできます。

個人事業主になるために必要な手続きは?

個人事業主のメリット・デメリットは他にもありますが、まずは上記を押さえておけばOKです。

個人事業主になることは、全く難しくありません。事業を始めた日から1か月以内に、税務署に開業届を提出します。これは「新しく開業します」という報告のようなものです。特に費用は掛かりません。

開業するより少し大変なのは『確定申告』ではないでしょうか。個人事業主になると、1月1日から12月31日の年間の所得を計算して確定申告をしなければなりません。

個人事業主になったら『確定申告』をしよう!

確定申告には『白色申告』と『青色申告』の2種類があり、『白色申告』の方が簡単です。ただし、『青色申告』の方がお得なポイントがたくさんあります。それは

  • 最大65万円の控除が受けられる
  • 家族への給与を経費にできる
  • 30万円未満の資産を一括で経費にできる

など。これらの仕組みをうまく活用すると、青色申告にした方が税金が安くなる可能性があります。収入が多くなると特に、控除や経費について知っておくと大きなメリットになります。

 

青色申告の申請は大変?

青色申告をしたい際には、『青色申告承認申請書』を3月15日までに提出しなければいけません。一般的には開業届と一緒に提出します。

負担になるのは、複式簿記で帳簿を付けることです。仕訳票と総勘定元帳に「いつ、誰と、どんな取引をしているか」を記録しておきます。それをもとに損益計算書と貸借対照表を作成し、確定申告時時に提出しなければなりません。

難しそうに感じますが、今ではほとんどの会計ソフトで簡単に作成できます。この手間をかけるだけで、多くの税金が得になります。もちろん税理士に任せたり、代行の業者を活用する方法もあります。青色申告 確定申告

 

個人のお金と事業のお金は財布を分けましょう

個人事業主になったら『個人の支出』と『事業の支出』を明確にしましょう。

事業でかかるお金は基本経費として計上できます。事業用のクレジットカードを作れば、簡単に区別ができますよ。

後から「これは生活費?経費?」とならないよう、しっかり財布を分けておきます。

まとめ

個人事業主の働き方は、ママにとってメリットが多いのではないでしょうか。

大きなメリットは働く時間や場所を自分で決めて活動できることです。新しい一歩として検討してみてもいいかもしれません。

副業が当たり前の世の中になってきている昨今「会社員の副業がきっかけで個人事業主になる」というケースも増加しています。

自分に関係のないことと思わず、ぜひ模索してみてください。今回のコラムが人生の選択肢を増やすきっかけになればうれしいです。

次回コラムは2023年10月10日公開予定です。お楽しみに!

 

近藤 賢一 子育て世帯専門 ファイナンシャルプランナー RAC代表(文)
近藤 賢一/Kenichi Kondo

子育て世帯専門のファイナンシャルプランナー事務所RAC代表。

『関わる全ての子育て世帯が、知らないことで損をしないため』に難しいお金の話を分かりやすくワクワク伝えるプロ。

年間100世帯以上の子育て世帯の家計相談や資産運用、住宅購入等ありとあらゆるお金の相談に対応。毎日配信される公式LINEは「無料で気軽にお金や制度、経済の情報を得ることができる!」と大好評。大人だけでなく子どもの金銭教育にも力を入れ、お金の大切さやお金の稼ぎ方を伝えるオンラインスクールも開講しています。

大学生のアメリカンフットボール部のコーチもしながら、明るく楽しく人生100年時代を生き抜く力をつけるための並走者として活動中です。

・ホームページ:ファイナンシャルプランナー事務所RAC

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