シングルマザーにとって、仕事と子育ての両立は最大の課題の一つです。「収入は確保したいけれど、子どもとの時間も大切にしたい」という思いを抱えながら、日々奮闘されている方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、シングルマザーのお金事情について全5回にわたってお届けしてきました。最終回となる今回は、より具体的な内容として、「業務委託で働く個人事業主」という選択肢を中心に、仕事と子育ての両立について考えていきます。
目次
働き方改革の新しいスタイル
ここ数年、働き方改革が社会的なテーマとなっています。特にコロナ禍を経て、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方が注目を集めています。従来の正社員やパート勤務では、保育園の送迎時間に合わせた勤務が難しかったり、子どもの急な発熱で早退や欠勤を余儀なくされたりと、様々な制約がありました。
しかし近年、大手企業でも業務委託という形で個人事業主を採用する動きが増えています。これは単なるフリーランスとは異なり、企業のバックアップを受けながら、柔軟な働き方を実現できる新しいワークスタイルなのです。
時間の柔軟性を活かした働き方
業務委託契約の最大の特徴は、時間の柔軟性にあります。子どものスケジュールに合わせて業務を調整できるため、より効率的な働き方が可能です。例えば、以下のようなポイントが挙げられます。
子どもの行事への参加
- 運動会や授業参観の予定が立てやすい
- 準備や片付けにも余裕を持って対応できる
- 学校行事でも気兼ねなく休める
緊急時の対応
- 子どもの急な体調不良にも対応可能
- 後日、自分の裁量で仕事の調整ができる
このような柔軟性は、子育て中のママにとって大きな安心感につながります。
安定性とキャリア形成のチャンス
大手企業との業務委託契約には、一般的なフリーランスとは異なる特徴があります。安定した案件が確保できるだけでなく、専門性を活かしたキャリアアップも可能です。
継続的な案件確保
- 安定した収入見込みが立てやすい
- 長期的な視点でのスキル育成が可能
- 企業の信用力を活かせる
キャリアアップの機会
- 実践的な業務経験の蓄積
- 専門分野のスキル強化
- 新しい分野へのチャレンジ
充実したサポート体制
業務委託といっても、すべてを一人で抱え込む必要はありません。多くの企業では、個人事業主向けの手厚いサポート体制を整えています。
業務サポート
- 専門の相談窓口(担当者)の設置
- オンライン、オフラインでの円滑なコミュニケーション
- 同じ立場のメンバーとの情報交換機会
スキルアップ支援
- 体系的な研修プログラム
- 実務を通じた技術指導(OJT)
働き方のサポート
- 柔軟なスケジュール調整
- 業務管理ツールの提供
子どもの年齢別タイムマネジメント
子どもの年齢によって、活用できる時間帯は大きく変わってきます。お子さんの年齢に応じた仕事と子育ての両立方法を考えていきましょう。時間の使い方を工夫することで、仕事も育児も充実させることができます。
未就学児の場合
保育園に通う子どもを持つママの1日のスケジュール例です。
- 朝(8:30-9:00):子供の朝支度、保育園送り
- 午前(9:30-12:00):メインの仕事時間
- 昼食・休憩(12:00-13:00)
- 午後(13:00-15:00):集中して仕事
- 16:00:保育園お迎え、買い物、家事・育児、等
この時期は特に体調を崩しやすい年齢なので、急な欠席にも対応できるよう、重要な業務は午前中に済ませておくことをお勧めします。保育園での預かり時間を最大限活用し、メリハリをつけた働き方を心がけましょう。
小学生の場合
学童保育を利用する場合の基本的なスケジュールの例です。
- 朝(8:00-8:30):登校準備のサポート
- 午前(9:00-12:00):午前の仕事時間
- 昼食・休憩(12:00-13:00)
- 午後(13:00-17:00):午後の仕事時間
- 17:30:学童からの帰宅対応、宿題のサポート、家事・育児、等
小学生になると、平日は比較的安定した時間が確保できるようになります。一方で、長期休暇や参観日、PTA活動など、学校行事への対応も増えてきます。業務委託であれば、そうした予定にも柔軟に対応することができます。
仕事と育児の両立におけるトラブル対処法
子育てをしながら働く中では様々な予期せぬ事態が発生します。しかし、業務委託という働き方であれば、そうした状況にも柔軟に対応することができます。

子どもの突発的な病気への対応
子育て中に最も心配なのが、突然の体調不良です。業務委託という働き方だからこそ可能な対応方法があります。
- スケジュールの柔軟な調整
- オンラインツールを活用した業務継続
- 関係者との事前の対応方針共有
長期休暇期間の乗り切り方
夏休みなどの長期休暇も、計画的な対応で乗り切ることができます。
- 業務の事前調整と前倒し
- 学童保育や習い事の活用
- 柔軟な休暇取得
長期休暇は子どもとの大切な時間です。業務の効率化を図りながら、思い出作りの時間も確保しましょう。
効率的な時間活用のコツ
限られた時間の中で成果を出すためには、効率的な時間の使い方が欠かせません。ここでは、実際に業務委託として活躍している先輩ママたちから学んだ、時間活用のコツをご紹介します。
優先順位とタイムマネジメント
限られた時間を最大限活用するためには、効率的な業務管理が欠かせません。以下のポイントを意識して取り組みましょう。
- 重要な作業は集中力の高い午前中に行う
- 眠気や疲れの出やすい午後に定型業務を配置
- 隙間時間を有効活用
計画的な業務進行
安定した業務遂行のために、計画性を持って取り組むことも大切です。
- 週単位での作業計画立案
- 余裕を持ったスケジュール設定
- 定期的な進捗確認と調整
新しい働き方で実現する理想の生活
これまで5回にわたって、シングルマザーの方々の経済面について様々な角度から見てきました。確かに子育てには多くの費用がかかりますが、業務委託という働き方を選択することで、収入面での不安を解消しつつ、大切な子育ての時間も確保することが可能です。
自分自身で時間を調整できる個人事業主という働き方は、子どもとの時間を十分に確保できるだけでなく、集中して仕事に取り組める環境も整えやすいというメリットがあります。また、大手企業との業務委託契約であれば、安定した収入を見込むことができ、充実した研修制度によるスキルアップも期待できます。
子育ても仕事も、どちらも諦める必要はありません。ご自身のペースで仕事に取り組みながら、お子さんの成長をしっかりと見守ることができる。そんな理想的な働き方を、業務委託という選択肢で実現してみませんか?
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三好夏枝/Natsue Miyoshi
大阪経営クリニック株式会社 代表取締役
メーカー勤務の傍ら、結婚・出産後の働き方と資産形成に不安を感じ、個人事業主として不動産の大家業を開始して、資産形成に着手。
その後、大阪経営クリニック株式会社を設立し、個人事業主や小規模事業者の売上アップ支援、ライティング業を軸に活動。「自分らしく輝く大人」を増やすことで、子どもたちが「大人になって働くことは楽しい」と将来に希望が持てる地域・社会づくりを目指している。