この連載では、親から子への『言葉かけ』についてお伝えします。
あなたが普段何気なく使っている『言葉』を、意識していいほうに変えてみると子育てがもっと楽しくなることでしょう。
第1回「言葉を変えるってどういうこと?」では、親から子にかける言葉の大切さについてお伝えし、第2回・第3回目では「子育てがツラくなるNGワード」で具体的な言葉と言い換えの例をいくつかお伝えしてきました。
最終回の今回は、うっかり『NGワード』を言いそうになったときの対応や、言ってしまったときのリカバリーについてお伝えしましょう。
目次
言葉を変えてみよう! ママも子どももハッピーに過ごすために
「ダメ!」「やめて!」など反射的に叱ってしまう
大人しく遊んでいると思ったら、部屋の壁に落書きをしていた…なんてこと、ありますよね。そんなとき反射的に「ダメ!」「やめて!」と叱っていませんか。
「悪いことをしたら叱るのは当然でしょ」という意見もあると思います。確かにその通りなんですが、その「良い」「悪い」の判断は、まだ子どもにはできません。落書きをしているわが子を叱ったあとで、よく見たら「ままだいすき」と幼い字で書いてあった、なんてほろ苦い経験をしたママもいます。
反射的な「こらっ!」「ダメでしょ!」は飲み込み、いったん子どもの行動を受け止めてから「次からこっちに描いてね」と優しく代替案を示しながら教えるのがよいのでしょうね。
そう言われても言葉が出ちゃう、という場合は、叱る前に「あら」「まあ」「なるほど」「そう来たか」という『マイナスでもプラスでもない中立の言葉』をはさみこむことをおすすめします。それだけでも、冷静な気持ちを取り戻す助けになりますよ。
ポイント
☆反射的に叱る前に、中立の言葉をはさんでみよう
子どもが言うことを聞かない
「早くしなさい」と言ってもグズグス。「手を洗いなさい」と言えば「ヤダ!」…。子どもが言うことを聞いてくれないとき、本当に気持ちがすり減りますよね。
親が「こうしなさい」と子どもに指示するとき、先を見越して言うのですが、素直に聞いてくれない子ども。
こんな時、ママは自分の予定通りに行動できないという思いと、自分の言うことを聞いてもらえない不満が重なって、イライラがどんどんつのります。
でも、子どもだってわざとあなたをイライラさせたいわけではないのです。ママの言うことを聞けないとき、たぶん子どもなりの理由があります。それを無視されれば子どもの気持ちがこじれてしまいます。
どんな理由でこちらの言うことを聞いてくれないのか、話し合いたいところですが、子どもはうまく言語化できないのが普通です。そこで、子どもの行動や言葉を注意してよく観察してみましょう。
「ボタンを留めるときに間違えてやり直しているから遅いのね」「ひとりで手を洗うのが嫌なのね」など、言うことを聞かない理由が少しでも分かれば、イライラも減らすことができるでしょう。
ポイント
☆どうして言うことを聞けないのか『観察』するといいかも
ウッカリ子どもにNGワードを言ってしまったら
「バカ」「あんたなんか嫌い」「生まなきゃよかった」…など、「こんなこと言ってはいけない」と分かっていても、NGワードがうっかり出てしまうことがあります。
子育てをしていればだれでも感情的になることはあります。それだけ一生懸命に育児をしている、ということですよね。子どもに「ごめんなさい」と心から謝って、次から言わないように気をつければいいのです。
一度や二度、NGワードを言ってしまっても、繰り返さなければ大きな問題はありません。
それに、誰だって失敗はするものです。親が子どもにきちんと謝って失敗を繰り返さないよう努力する姿を見せることで、子どもは自分が失敗したとき、どう振る舞えばいいのか、学ぶことができるのです。
かわいいわが子に暴言を吐いてしまうほど疲れているとき、ママは自分自身の心が限界なんだと気づいてあげられるといいなと思います。
子どもを安心できるところに預けて、仕事でも趣味でもママ自身が自分の時間を作ることで、リフレッシュできるかもしれませんよ。
ポイント
☆しっかり謝って、繰り返さないよう気をつけよう
まとめ 言葉を変えて子育てをハッピーに
4回にわたって『言葉かけ』についてお伝えしました。ひとつでも参考にしていただけたら幸いです。
言葉を変えるためには、お金も手間もかかりません。誰でも、いますぐにでもスタートできます。
さあ、あなたも、今日からほんの少しだけ子どもにかける言葉を意識して、毎日の子育てをハッピーにしていきましょう。
曽田 照子/Teruko Soda
作家・ライター・エディター、3人の娘の母。
自身の子育て経験を活かして書籍、雑誌、WEBサイト等に執筆中。子育て中の人の気持ちに寄り添った優しい文章が好評。
著書「子どもを伸ばすママの言葉がけ 言ってはいけないNGワード55」(メイツ出版)「『お母さんの愛情不足が原因』と言われたとき読む本」(中経の文庫)など。
最新刊は「決定版 ママ、言わないで!子どもが自信を失う言葉66」(学研プラス)。
曽田照子公式ブログ