子どもの偏食 なぜ好き嫌いがある?/嫌いな食べ物を「食べられる!」に変える『食育』vol.1

好き嫌いをする子供 教育

私たちの健康を支える食事。育児中の方は子どもが元気に成長するよう食事の栄養バランスには特に気を遣いますよね。

毎日、献立を考え、買い物へ行き、料理をする。でも、忙しい仕事や家事の合間をぬってせっかく作った料理を子どもが食べてくれない…なんてこともしばしば。
いらいらしたり、落ち込んだり、子どもの健康を考えると不安になったり。誰にでもそんな経験があるはずです。

このコラムでは子どもの偏食について理解を含めどう対処するか、食育の観点も含めてお伝えしていきます。

第一回目では『なぜ嫌いな食べ物があるのか?』その理由についてです。

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子どもの偏食 なぜ好き嫌いがある?

「お子さんには嫌いな食べ物、苦手な食べ物はありますか?」
きっとほとんどのお母さん、お父さんが「ある」と答えるのではないのでしょうか。

では「お母さん、お父さん自身には嫌いな食べ物、苦手な食べ物はありますか?」
…こちらもきっと、多くの方が「ある」もしくは「嫌いではないけれど、好んでは食べないものがある」と回答するのではないでしょうか。

年齢を問わず、誰にでも好き嫌いはあります。まず、子どもの食の好き嫌いについて悩む前に「嫌いな食べ物は大人にもある」「嫌い・苦手な食べ物が全くない人はほとんどいない」ということを忘れないでくださいね。

 

子どもの嫌い・苦手な食べ物の理由

子どもは何を基準に「食べたくない」と認識するのでしょうか。これは大きく3つの理由に分けられます。

【1】『苦味』『酸味』がある

一つ目の理由は「その食材に苦味・酸味がある」です。

人が感じる味は五味と呼ばれており、甘味・苦味・塩味・酸味・うま味があります。このうち、甘味・塩味・うま味は好ましい味、美味しい味と感じます。一方で苦味・酸味は人間が自分の命を守るために感じる味です。苦味は毒、酸味は腐ったものを意味します。

私たち人間は自らの生命を守るために味覚を発達させてきました。つまり子どもにとって、この苦味・酸味がある食材は『本能的に避けるべき食材=苦手・嫌い』と認識されやすいのです。好き嫌いをする子ども

 

【2】初めて食べる恐怖心

二つ目の理由は「その食材を見たことがない」「初めて見るので恐い」ということです。

突然ですが、あなたはコオロギや幼虫を食べたことがありますか?
中国やタイ、アフリカ諸国などでは様々な昆虫を食べる習慣があります。日本でもイナゴの佃煮など、一部の地域では昆虫が食べられていますね。

突然、皆さんの目の前に幼虫が出され「さぁどうぞ!とっても美味しくて、身体にいいのよ!」「こんなに美味しいのに、なんで食べないの?」と言われたらどうでしょう?
初めて見る食材に、戸惑ってしまいますよね。勇気のある方なら一口、口に運ぶことができるかもしれませんが、なかなか難しいのではないでしょうか。

子どもの気持ちはこれと一緒。見たことのない料理や食材を目の前にして同じように「さぁどうぞ!」と言われても、「初めて見た」=「怖い」「嫌だ」「口に入れたくない」という感情の方が優ってしまうのです。これを専門的な用語では新奇性恐怖と言います。

こちらも、人間が発達する中で身につけた知恵です。私たちの祖先は全く食べ物がない状態から、食べられるものを探し繁栄してきました。初めて食べるものは、「本当に大丈夫だろうか、毒は入っていないだろうか」と、本能的に警戒するクセがついているのです。離乳食を嫌がる乳児

 

【3】心理的な影響

最後、三つ目の理由は「『美味しさ』は心理的な影響を受ける」という点です。

人が美味しいと感じるのは、舌で感じる味だけを頼りにしているのではありません。『美味しい味』がどんな要素で決定されるのかというと、味覚(味)・嗅覚(匂い)・視覚(見た目)・触覚(舌触り)・聴覚(噛んだ時、箸で触った時の音)の五感と合わせて、その食材を食べる時の、心理状態・体調・事前情報・誰と食べるのか・周りの人の反応など、実に様々な要因の中から総合的に判断して「美味しい」と感じます

つまり同じ食材でも、楽しい明るい気持ちで食べたのか、嫌な暗い気持ちで食べたのかによって、「美味しいか、美味しくないか」「嫌い、苦手と感じたのか」が左右されるということです。子どもに食べさせる父親

 

まとめ

「なぜ子どもに偏食があるのか?」という疑問が少しでも解消されたでしょうか。

育児をしていれば、少なからずお子さんの食について悩むことがあると思います。
誰にでも嫌いな食べ物があるのは、当たり前のこと。お子さんにも、嫌い・苦手な食べ物があり、成長とともにだんだん食べられるものが増えていきます。

お子さんの偏食について悩んでいるお母さん、お父さんは、どうか不安がらず自信を持って、まずはお子さんと楽しくご飯を食べることを意識してみてくださいね

次回コラムでは「どのようにしたら嫌い・苦手な食べ物を少なくすることができるのか」についてお伝えしたいと思います。お楽しみに!

木村 有花/Yuka Kimura

食育知育の専門家。2児の母。
出産前は子ども向けのロボット製作&プログラミング教室に勤務し、アクティブラーニング、プログラミング教育、STEAM教育などの普及に従事。長男の食に悩んだことをきっかけに、ママパパ向けの離乳食教室を始める。現在は食育・知育についてInstagramで発信するとともに、モンテッソーリ乳幼児教室に勤務。
2020年度のオンライン講座にはのべ500組以上の親子が参加。ママパパが子どもと楽しく穏やかに過ごせるよう、そして子どもが素直に健やかに成長できるよう活動中。

【保有資格】
離乳食アドバイザー
幼児食アドバイザー
AMI(国際モンテッソーリ協会)アシスタント教師(0~3歳)
モンテッソーリクッキング認定講師 など

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