個人事業主になるうえで、気になるお金のこと。このコラムでは、5回に分けて、個人事業主にまつわるお金の不安を解消するための情報をお届けしています。
子育てをしながら個人事業主として働くことを選んだものの、「将来が不安…」という声をよく耳にします。確かに、フリーランスには保証のない部分が少なくありません。
しかし、働き方は一つだけではありません。
この記事では、ライフステージに合わせた柔軟な働き方の選択肢についてお話しします。
目次
個人事業主のし主婦ならではの「将来への不安」とは?
「病気で働けなくなったら、どうしよう…」
「老後の資金は、本当に足りるのかな?」
「フルタイムで働けるようになった時、キャリアは大丈夫かしら?」
個人事業主として働くママの頭をよぎるこんな不安、あなただけではありません。多くの個人事業主ママが抱えている、リアルな悩みです。
一般的な個人事業主として働いているママの多くが感じている不安について、具体的に見ていきましょう。
病気やケガへの備え
個人事業主は、頑張り次第で収入アップできるメリットがある反面、病気やケガで働けなくなると、収入が途絶えてしまうリスクもあります。
安定した収入の確保
収入が仕事量や成果に応じて変動するため、収入の見通しが立てづらく、家計の管理が難しいと感じることがあります。
将来の年金問題
会社員に比べて年金の受取額が少ないため、老後資金の不安があります。
キャリアの将来性
今の仕事内容が将来も続くのか、スキルアップできるのか、不安に感じることがあります。
これらの不安は、将来に対する漠然とした不安から、具体的な経済的な不安まで様々です。しかし、大切なのは、これらの不安と向き合い、将来への備えを今から始めることです。
ライフステージで変化する働き方の選択肢
私たちママの生活は、子どもの成長とともに大きく変化していきます。保育園児だった子どもが小学生になり、中学生、高校生…と。そして、子どもが成長するにつれて、ママ自身の時間は増えていきます。
そんなライフステージの変化に合わせて、働き方も柔軟に変えていくことができるのが、今の時代の特徴です。
子育て真っ只中!時間調整がしやすい個人事業主
「今は、子どもが小さくて、時間の融通がきく働き方が必要!」
保育園の送り迎えや、突然の発熱での早退など、子育て中は予期せぬ事態がつきものです。個人事業主であれば、自分のペースで仕事を進めることができ、柔軟に対応できる仕事も多いため、子育てとの両立がしやすいと言えるでしょう。
安定収入のカギは業務委託契約
個人事業主として、特定の会社と業務委託契約を結んで、仕事をするのも一つの方法です。
業務委託契約を結ぶことで、収入の安定性が高まります。また、定期的に一定量の仕事を受注できるため、収入の見通しが立てやすくなります。
さらに、長期的な関係を築くことで、仕事の質や効率が向上し、より高い報酬を得られる可能性も出てきます。
子育てがひと段落したら、新たな選択肢もある
子どもが成長し、少し余裕が出てきたら、また新たな選択肢が見えてきます。
「子育てがひと段落したら、経験を活かして会社員として働きたい!」そう考えるママも多いのではないでしょうか?
会社員という選択肢、見直してみよう!
これまで個人事業主として培ってきた経験は、会社員として働く際にも役立ちます。
特に、すでに業務委託として関わっている会社での社員登用は、スムーズなキャリアチェンジを可能にします。これまでの経験を活かしながら、新たなステージへと進むチャンスなのです。
安定性とキャリアアップの両立
個人事業主としての業務委託の経験は、正社員になってからも大きな強みになります。
実務経験
すでに仕事の流れを理解しているため、スムーズに業務に移行できます。
時間管理能力
子育てとの両立で培った効率的な働き方は、会社でも役に立ちます。
柔軟な対応力
顧客対応など、個人事業主として培った経験は、管理職としての重要なスキルにもなります。
実際に、個人事業主としての業務委託からスタートし、正社員となり、マネジメント職として活躍しているママも多くいます。
正社員になるメリット
正社員になることで得られる具体的なメリットをご紹介します。特に、親の介護が必要になったときや、自分の体調不良時には、各種保障制度が心強い味方になります。
安定した収入
毎月の収入が安定しているため、家計の管理がしやすくなります。
手厚い保障制度
病気やケガ、出産、育児、介護など、様々な場面で、有給休暇制度や収入保障などのサポートを受けることができます。
キャリアアップの道
スキルアップや、キャリアアップの機会が豊富にあります。
柔軟な働き方で描く、あなたらしいキャリアプラン
今は個人事業主として活躍していても、将来は違う形態で働くことも可能です。例えば、こんなキャリアプランはいかがでしょうか。
- 子どもが小さいうちは、個人事業主として業務委託で柔軟に働く
- 子育てがひと段落したら、経験を活かして正社員にステップアップ
- マネジメント職として更なるキャリアアップを目指す
理想の働き方は、自分でデザインする時代へ
「会社員か個人事業主か」という二者択一ではなく、人生の各ステージで最適な働き方を選択できる、それが今の時代の特徴です。特に、個人事業主として業務委託からスタートして、その会社の正社員へとキャリアチェンジする選択肢があることは、大きな可能性を感じさせますよね。
大切なのは、今の生活を大事にしながら、将来の可能性も広く考えること。今は個人事業主として子育てと仕事の両立を楽しみつつ、将来の選択肢も視野に入れておく。そんな柔軟な考え方が、これからのママの働き方のヒントになるのではないでしょうか。
あなたらしい働き方を見つけるために、まずは今の不安や悩みと向き合い、将来の選択肢を広げていきましょう。きっと、その先には新しい可能性が待っているはずです。
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三好夏枝/Natsue Miyoshi
大阪経営クリニック株式会社 代表取締役
メーカー勤務の傍ら、結婚・出産後の働き方と資産形成に不安を感じ、個人事業主として不動産の大家業を開始して、資産形成に着手。
その後、大阪経営クリニック株式会社を設立し、個人事業主や小規模事業者の売上アップ支援、ライティング業を軸に活動。「自分らしく輝く大人」を増やすことで、子どもたちが「大人になって働くことは楽しい」と将来に希望が持てる地域・社会づくりを目指している。