忙しい日々の中でも、子どもたちの食事にはできるだけ気を配りたいもの。しかし、子どもが成長するにつれ、食事の内容や量、作り方の悩みも変わり、「これでいいのかな?」と迷うことは尽きませんよね。
とくに最近は、家事や育児、これからの働き方を考える中で、少しでも調理をラクにしたいと感じているママ・パパも多いのではないでしょうか。
このコラムではママ、パパ、お子さん、そしてご家族みんなが楽しく、安心して食事の時間を過ごせるようにこどもの食事について、三回にわたってお伝えします。
第一回目では、ママ・パパに知っておいてほしい『お子さんの食事に関するポイント』をご紹介しました。
そして第二回目となる今回は、『家族の食事をより簡単に作るための時短調理方法』として、
スイッチ一つでできる炊飯器調理をご紹介します。
目次
【安全性について】炊飯器調理でアルミホイルは本当に大丈夫? 害がない理由と注意点
炊飯器調理でアルミホイルを使うとき、「アルミニウム成分を体に取り込んでしまうのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。
中には、「アルミニウム成分を必要以上に体内に取り込んでしまうと、アルツハイマーなどの現代病を誘発する可能性がある」と聞いたことがあり、心配になったという方もいるのではないでしょうか。
ですが、結論からお伝えすると、「アルミがアルツハイマー病の原因になる」という明確な根拠は、現在のところ見つかっていません。
これまでに、アルミとアルツハイマー病の関係性について研究は行われてきましたが、報告されている件数は多くなく、また、アルツハイマー病そのもののメカニズムも、いまだ研究段階にあるとされています。
そして、炊飯器調理でアルミホイルを使ったからといって、健康に悪影響を及ぼすと断定できるような科学的根拠はない、というのが現時点での考え方です。
必要以上に不安を抱くのではなく、正しい情報を知ったうえで、安心して調理方法を選ぶことが大切です。

食品にも使われているアルミ
実は、アルミニウムは私たちの身の回りの食品にも、すでに使われています。
たとえば、次のようなものです。
- 膨張剤(ベーキングパウダーなど)
- 色止め材(ナスやシソの漬物など)
- 形状安定剤(形が崩れやすい食品。タコやイカ、ウニなど)
- 品質安定剤(歯応えや柔らかさを保つ。野菜や餅、焼き菓子など)
- 着色料(食品全般)
このように、アルミは食品の品質や見た目、食感を保つ目的で、すでに日常の食生活の中で使われている成分です。
こうして見てみると、「アルミ=特別に危険なもの」というよりも、適切な範囲で管理され、利用されている身近な素材であることが分かります。炊飯器調理でアルミホイルを使うことも、この延長線上にあると考えると、必要以上に心配しすぎる必要はないと言えるでしょう。
アルミは有害? 摂取するとどうなる?
「アルミを体に取り込んでしまっても、本当に大丈夫なの?」そんな疑問を持つ方も多いと思います。
世界保健機関(WHO)は「人間の体は、体重1kg当たり、1日40mgほどのアルミニウムであれば、体内に取り込んでしまった場合も問題なく排出される」としています。
また、食品や空気から摂取したアルミは、99%は吸収されずに体外へ排出され、ごくわずかに吸収された分についても、腎臓で処理され、尿として体の外に出ていく仕組みです。
そのため、炊飯器調理などで一時的にアルミの摂取量が増えたとしても、通常であれば体内に蓄積され続けることはなく、時間とともに正常な状態に戻ると考えられています。
アルミに限らず、どんな物質であっても過剰に摂取すれば体に良いものではありません。
ですが、日常的な食生活や炊飯器調理の範囲であれば、過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
アルミホイルを加熱しても大丈夫? 使用上の注意点はある?
アルミニウムは体外へ排出されると分かっていても、「できるだけ体に取り込みたくない」と感じる方もいらっしゃると思います。
そんな場合は、次のポイントを意識して使うことで、より安心してアルミホイルを使用できます。
【1】高温を避ける
アルミホイルの耐熱温度は、およそ 330〜660℃程度 とされています。
ただし、強い熱を受け続けると酸化が進み、アルミニウム成分が溶け出す可能性があるとも指摘されています。
とはいえ、炊飯器の加熱温度は高くても約100℃程度。この温度域であれば、基本的に問題はありません。
注意したいのは、直火にかけたり、ヒーターや熱源に直接触れるような使い方です。
炊飯器調理では、こうした使い方を避ければ安心です。
【2】長期間の使用を避ける
アルミホイルで食品を包んだまま、長期間保存することは控えましょう。
長い時間が経つと、アルミホイルに含まれるアルミニウム成分が溶け、食品に移行してしまう可能性があります。
数日程度であれば問題ありませんが、1か月以上など、長期間にわたって包み続ける使い方は避けるようにしましょう。
【3】調味料と一緒に使用するのを避ける
アルミホイルの表面は、酸化被膜と呼ばれる薄い膜で覆われています。
この被膜は、食塩や酢などが水に溶けたときに生じる塩素イオンや酸性の成分に弱いという性質があります。
そのため、塩分や酸の強い食品や調味料と長時間触れていると、変色したり、穴が開いたりすることがあります。
炊飯器調理で使う場合も、調味料を加える前の下ごしらえや、野菜を包む用途として使うと、より安心です。
炊飯器調理の注意点
アルミホイル自体は、正しく使えば安全な素材ですが、炊飯器で使用する場合に、ひとつだけ特に気をつけたいポイントがあります。
それが、蒸気口をふさがないことです。
- 蒸気口(炊飯器の蓋の穴の部分、そこから蒸気がでます)
炊飯器は、加熱中に発生した蒸気や圧力を蒸気口から外へ逃がしながら調理する仕組みになっています。

アルミホイルで食材を包む際、包み方によっては蒸気の通り道をふさいでしまい、炊飯器に負担をかけてしまうことがあります。
そのため、炊飯器調理を行うときは、
・アルミホイルをきつく巻きすぎない
・食材をふんわり包むようにする
・蒸気口の位置を確認してからセットする
といった点を意識しましょう。
このポイントを押さえておけば、炊飯器調理は特別に難しいものではありません。
「アルミホイルが危ない」のではなく、炊飯器の構造に合った使い方をすることが大切なのです。
正しい使い方を知っていれば、スイッチ一つでできる炊飯器調理は、忙しいママにとって心強い時短調理方法になります。
炊飯器調理で気をつけたいその他のポイント
- 水が少ないとお釜が焦げてしまう可能性がありますので、ご注意ください。
- 調理修了後、釜を取り出すときは火傷にご注意ください。
- 粘性の強い野菜(里芋、山芋など)、葉物野菜(ほうれん草、小松菜など)は調理しないでください。

次はいよいよ、これらの注意点をふまえたうえで、炊飯器を使った野菜のゆで方をご紹介していきます。
スイッチ一つの炊飯器調理 野菜のゆで方
時短調理には、電子レンジ、ミールキットの活用、ホットクック、圧力鍋、とりわけ調理など、さまざまな方法があります。その中でも、特に子育て世代におすすめしたいのが「炊飯器調理」です。特別な道具を用意する必要がなく、いつも使っている炊飯器でできる手軽さは、忙しいママ・パパにとって心強い味方になります。
スイッチひとつで簡単・楽々!
炊飯器調理の魅力は、材料を入れてスイッチを押すだけで一品できあがること。
火加減を見る必要もなく、炊飯中はほったらかしにできるので、その間にこどもと遊んだり、掃除や洗濯をしたり、少しだけ休憩することもできます。
また、外出前に食材をセットして炊飯予約をしておけば、帰宅する頃には調理が終わっているのも嬉しいポイント!「今日は余裕がないな…」そんな日こそ、無理なく取り入れられる調理方法です。
野菜を柔らかくする炊飯器調理
炊飯器調理では、さまざまなメニューを作ることができますが、今回は離乳食・幼児食にも使いやすく、各家庭でアレンジしやすい「野菜をやわらかくする方法」をご紹介します。
この方法は、お米を炊くのと同時に野菜を調理できるという点も大きな魅力です。
野菜だけを調理する場合
- 野菜を洗い、皮をむく。
- ①の野菜をアルミホイル、だしパック、クッキングシートなどで包む。
- ②を炊飯器に入れ、1〜2合分ほど水を入れて炊飯スイッチを押す(早炊きでもOK)。

- 炊飯終了後、触れる温度になったら取り出したら、できあがり!
お米を炊くのと同時に野菜を調理する場合
- 洗米したお米を炊飯器に入れ、分量通り水を入れる。
- 皮をむいた野菜を、アルミホイル、だしパック、クッキングシートなどに包んでお米の上に置き、炊飯する(早炊きでもOK)。
※早炊きの場合、大きな野菜は固い場合があります。その場合はしばらく保温モードで様子を見てください。
- 炊飯終了後、野菜を取り出したらできあがり!
炊飯器調理におすすめの食材
炊飯器調理に向いているのは、火を通すことで甘みが引き立つ野菜です。
にんじん、大根、さつまいも、じゃがいも、蓮根、かぼちゃ、玉ねぎなどです。
その他にも、お好みの野菜があれば、ぜひ試してみてくださいね。
りんごジャムも簡単に
炊飯器を使えば、りんごジャムを簡単に作ることもできます。
りんごを洗い、皮付きのまま丸ごとアルミホイルに包んで、炊飯スイッチを押すだけ。
炊飯終了後、皮と種を取り除いたら出来上がりです♪
香りがよく、ヨーグルトにのせたり、パンに塗ったり、手作りお菓子に使ったりとアレンジも自在。
砂糖を使わなくても美味しく、離乳食期の赤ちゃんから大人まで、家族みんなで楽しめます。
簡単なのに、驚くほど美味しいので試してみてくださいね。
調理した野菜の活用法
炊飯器で調理した野菜は、とてもやわらかく、甘みが引き出されているのが特長です。
そのままでも食べやすいので、月齢や成長に合わせて、さまざまな形で活用することができます。
離乳食・幼児食への取り入れ方
離乳食初期〜中期のお子さんには、炊飯器から取り出した野菜をすりつぶしたり、細かく刻んであげましょう。
離乳食後期〜幼児期のお子さんであれば、薄切りにしたり、スティック状にしたりして、そのまま手づかみ食べにも使えます。
やわらかく仕上がっているので、かみやすく、食べやすいのも嬉しいポイントです。
ひと手間でお弁当にも
やわらかくしたにんじんなどは、型抜きをするだけで、お弁当の一品に早変わり!
特別な下ごしらえをしなくても、彩を添えられるので、忙しい朝にも助かります。
作り置きでさらに時短
調理した野菜は、水気を切ってタッパーなどの保存容器に入れれば、冷蔵庫で数日保存することができます。
あらかじめ用意しておくことで、忙しいときに、サラダに加えたり、さっと味噌汁に入れたりと、さまざまなメニューに活用できます。
「今日はこれを使おう」と思えるちょっとしたストックがあるだけで、毎日のごはん作りがぐっとラクにできますよ!

我が家では長男が離乳食の時から、4歳半になった今も大活躍の炊飯器調理。ぜひみなさんもお試しくださいね!
炊飯器調理は、スイッチ一つでできる、がんばりすぎない時短調理方法です。
アルミホイルの安全性や注意点を知ったうえで使えば、子どもにも安心して食べさせることができます。毎日の食事づくりは、完璧でなくて大丈夫。少しラクできる選択肢を持つことで、心にも時間にも、余裕が生まれます。
次回は「簡単に栄養アップできるアイテム紹介、お惣菜を健康的にアレンジするコツ」についてお伝えします。
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
みなさんがお子さん楽しい食事時間を過ごせますように。

食育知育の専門家。2児の母。
出産前は子ども向けのロボット製作&プログラミング教室に勤務し、アクティブラーニング、プログラミング教育、STEAM教育などの普及に従事。長男の食に悩んだことをきっかけに、ママパパ向けの離乳食教室を始める。現在は食育・知育についてInstagramで発信するとともに、モンテッソーリ乳幼児教室に勤務。
2020年度のオンライン講座にはのべ500組以上の親子が参加。ママパパが子どもと楽しく穏やかに過ごせるよう、そして子どもが素直に健やかに成長できるよう活動中。
【保有資格】
離乳食アドバイザー
幼児食アドバイザー
AMI(国際モンテッソーリ協会)アシスタント教師(0~3歳)
モンテッソーリクッキング認定講師 など






















