『食事』と『遊び』でお口と体の健康づくり!/噛んで食べる子を育てる食育 Vol.4

シャボン玉で遊ぶ子ども 教育

噛んで食べるお口を育てるために、第2回目は離乳食期、第3回目は幼児期のアプローチをお伝えしてきました。

このコラムでは具体的なおすすめ食材や積極的に取り入れたい遊びのポイントをご紹介します。

▼前回コラム

とうもろこしをかじる女の子

幼児期が重要! 将来の健康に影響する食事習慣/噛んで食べる子を育てる食育 Vol.3

 

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『食事』と『遊び』が、お口と体の健康をつくる!

子どもの早食いや、あまり噛まないなどのお悩みがある場合、「よくカミカミしてね」と声かけをしたり、固いものを食べさせたりして解決しようとする方は多いのではないでしょうか?

よく噛んで食べてもらうためには、食卓だけで気を付けるのではなく、お口と体全体の発達を促してあげる必要があります。

 

 噛んで食べるお口が育つ『食事』と『遊び』のポイント

1)お口全体を使ってかじり取る

前歯と唇を使ってかじることは、一口の適量を覚えて、舌を動かし、食べ物を奥歯へ運んですりつぶすという一連の流れの大切な入口です。脳への刺激にもなり、手づかみ食べや前歯が生え始める離乳食の時期からおすすめです。

顎とお口の発達を促すことができ、きれいな歯並びにも繋がります。鶏肉をかじる子ども

 

2)おすすめ食材

①手羽元

手羽元のような骨付き肉は、手で持って、口を大きく開けてかじり取るのにおすすめです。

圧力鍋を使用して、大根や人参などのごろごろ大きく切った野菜と一緒に茹でると加圧時間は短く済み、放っておくと出来上がるので時短になります。

圧力鍋がない場合でも、炊飯器に手羽元とお野菜、水や必要があれば調味料を加え、炊飯モードで炊けば完成です。(メーカーによって取り扱いにご注意ください)

もちろんお鍋でコトコト煮ても美味しいですよ。

子ども用に薄味または味付けなしで煮たものを、最後にフライパンで調味料を加えて味をからめると大人も美味しく食べられます。

煮汁もお肉と野菜の旨味がたっぷりで、野菜やごま油、お塩などで味を調整すると中華スープも簡単に出来上がります。味付けは後からプラスできるので、忙しいママにこそ離乳食や幼児食の取り分けはおすすめです。鍋 手羽元 ネギ にんじん

②とうもろこし

これからの時期、特におすすめ食材はとうもろこし。一粒ずつほぐして食べるのではなく、ぜひ大きいままでかじり取りましょう。

蒸し器で蒸すのもよいですが、電子レンジでも簡単に蒸しとうもろこしができます。とうもろこし

とうもろこしの皮が付いたものは一枚ほど残したまま、ラップで全体を包み、電子レンジ600Wで約5~6分加熱します。とうもろこしの大きさによって4分程から調整してみてください。

ラップを外さずにそのまま粗熱を取ると、実が縮みにくくキレイに仕上がります。

口幅よりも大きいサイズにカットして、大きなお口をあけてかじって食べましょう。とうもろこしをかじる子ども

 

3)食事中の水分補給には注意

食事の時に、一緒にお茶やお水などの水分は用意していますか?食事中の水分補給には注意が必要です。

よく噛むことで、唾液と食物を混ぜて消化しやすい形にしてゴックンするのが理想的。ですが食事の合間に水分を取ると、食物をあまり噛まずに流し込んでしまいます。お味噌汁も同様です。

水分は食後、またはお口の中の食べ物がなくなってから飲むという習慣を身に付けていきましょう。水を飲む子ども

 

4)体とお口を育てる遊び

噛んで食べるお口を育てるためには、お口と繋がっている全身をバランスよく整えてあげることが大切です。

舌の力よりもお口周りの筋肉が弱いと「お口ぽかん」の状況になりやすくなります。「お口ぽかん」が何に影響しているのかは第1回目のコラムをご参照ください。

積極的に取り入れたい遊びをご紹介します。

①お口を使った遊び(吹き戻し、シャボン玉など)

昔ながらの遊びはお口を使ったものが多く、お口周りの筋肉を鍛えることができます

吹き戻しやシャボン玉は、駄菓子屋さんや100円ショップなどでも手軽に手に入るのでおすすめです。その他にも、吹いて音が出るラッパなどは小さなお子さんでも遊びやすく楽しんでくれると思います。吹き戻しをする子供

春はお外遊びでたんぽぽの綿毛をふぅーっと吹くのもいいですね。たんぽぽを吹く子ども

 

②全身を使う遊び(ハイハイ、よじ登る、ぶら下がる、走るなど)

お口周りの運動だけでなく、体幹を鍛えることで、正しい姿勢やお口の発達にも影響を与え、結果「食べる力」につながります

乳児期にズリバイ、ハイハイを積極的にさせてあげましょう。歩き始めてからも、段ボールのトンネルをハイハイでくぐったり、ハイハイ競争をしたり、ハイハイを遊びに取り入れるといいですね。

滑り台を下からよじ登る、雑巾がけ、鉄棒や大人の身体にぶら下がるなどもおすすめです。

脳や脊髄、視覚器などの神経系は幼児期に急速に発育していきます。この時期に多種多様な動きを体験することが大切です。幅広くいろんな遊びが経験できたらいいですね。滑り台をのぼる子ども

 

今回でお噛んで食べる子を育てる食育シリーズは最終回を迎えました。ここまで読んでくださったみなさま、ありがとうございました!

みなさまとお子さまが健康的な暮らしを送れるよう応援しております。

 

上西智佳氏
上西 智佳/Chika Uenishi

管理栄養士/離乳食アドバイザー/幼児食アドバイザー

病院勤務と特定保健指導業務に携わり、延べ2000人以上の栄養サポートを実施。これまでの経験と自身の2人の育児を通して、「生活習慣病予防と、子どもやママ自身の健康をサポートしたい」という思いのもと現在はフリーランスとして活動。行政の離乳食教室、オンライン離乳食・幼児食講座や子どものアレルギー対応・米粉のおやつレッスンなどを開催。

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