毎日のお食事タイム。あなたはいつもお子さまとどんな風に過ごしていますか?子どもにとって食事の時間は、ただ空腹を満たすだけのひと時ではありません。
これまで幼児食は、子どもの体の成長のためだけでなく、学びや自立のためにも大切なものだとお伝えしてきました。さらに、幼児食は自己肯定感を高めたり、算数を好きになるきっかけづくりになったりするんですよ。
今回は、幼児食でできる自己肯定感を高めることや、数字を一緒に数えるよりも効果的な数の覚え方について紹介します。一日3回の幼児食やおやつタイムに、ぜひ取り入れてみてくださいね!
目次
幼児食で自己肯定感を高めて、算数好きの土台づくりをしよう!
そもそも『自己肯定感』とは?
世界各国に比べて自己肯定感が低いといわれることが多い日本人。そもそも『自己肯定感』とは何でしょうか?
自己肯定感とは、自分自身を『大切な存在』、『価値のある存在』と認めることです。そして、自己肯定感が高いと、何事にも積極的に挑戦できます。
どうすれば、子どもが自己肯定感を高めることができるのででしょうか。そのチャンスが、幼児食にはたくさんあります。
まずは『食べる』ことだけで自己肯定感が高まります。
『食べること』で自己肯定感を高める!
第1回目でお伝えした通り、食べるためには、技術の習得が必要です。毎日の幼児食もおやつも、子どもにとっては学習であり、挑戦。
「失敗しても構わないから、挑戦していいんだ」と子どもが自覚することで、自己肯定感を高めます。
思っているように食べられなかったり、汚してしまったりすることもあるでしょう。
ママは後片付けが大変ですが、子どもだって失敗したくてしているわけではありませんから、厳しく叱るのはやめましょう。
子どもが悔しがっている時には共感し、「頑張っているね」と伝えます。
上手につまめた、残さずに食べられたなど成功したときには「できたね」と認めてあげましょう。大げさにほめる必要はありません。大切なのは、子どもの気持ちに寄り添うことです。
『お手伝い』がキーポイント!
さらに、食事へのお手伝いも自己肯定感の向上を助けます。
1~2歳児でも、おはしをテーブルに並べる、玉ねぎの皮をむく、レタスをちぎって洗うなど、できることはたくさんあります。
子どもに手伝ってもらうと、大人は楽になるどころか、余計な手間がかかって大変なことが多いですね。でも、自己肯定感を高めるための投資と割り切って、お手伝いしてもらいましょう。
お手伝いをすることで、子どもは家族の一員であると感じることができます。このときも、大げさにほめる必要はありません。「レタスを洗ってくれて、ママ助かるわ」と、子どもがお手伝いしたことが家族の役に立っていることを認めて、伝えましょう。
家族は子どもが最初に所属するコミュニティです。家族に貢献できること、認められることは子どもの大きな自信になります。それこそ、子どもが自分自身を『大切な存在』、『価値のある存在』と認めることへとつながります。
数への理解 「数える」よりも、もっと大切なこと
お風呂タイム、子どもと湯船に入って「20まで数えたら出ようね」と一緒に数を数えている方も多いのではないでしょうか?
しかし、はたして声に出すことができれば数を理解しているといえるのでしょうか。
もしかしたら子どもは、1から20までを数えているのではなく、ただ歌を歌っているつもりかもしれませんよ。
数を理解するために大切なこと、それが『一対一対応』です。
一対一対応とは、一つのものに一つのものを対応させることです。
例えば、運動会の玉入れを思い出してください。競技が終わってどの組が一番多いか調べるときに、各組がタイミングを合わせて一つずつ玉を投げ上げますね。
数を知らない子どもでも、数の概念がなかった古代の人でも、この方法ならどちらの玉が多いか分かります。このように「1個に1個を対応させること」を一対一対応といいます。
実はこの一対一対応は、食事やおやつの時間に自然と体験しやすいものなのです。
例えば、
- お茶碗とお箸を家族それぞれの席に配る
- コーヒーカップとソーサーを1組ずつセットする
- コップにストローを1本ずつさす
どれも、一対一対応です。子どもが大好きなおやつの時間に、あめやチョコレートを一人に一つずつ配るなら、子どもは一対一対応を楽しいイベントとして体験することができます。
多い・少ない・同じだと体験することは、数や数字を理解することのベースになります。楽しい一対一対応の経験は、子どもが算数好きになる土台をつくってくれるでしょう。
机に向かって計算するだけが算数の勉強ではありません。幼稚園や保育園に入る前でも食事タイムに一対一対応をたくさん体験して、算数好きになるためのサポートをしてあげましょう。
幼児食を通じて得た時間や経験は、親子の楽しい思い出になる
4回にわたって「幼児食とは?」から、幼児食のお悩み解決、歯とお口の気になること、自己肯定感や幼児食を通じて学ぶ算数など、いろいろな角度から幼児食の大切さを紹介してきました。
子どもが「ママ、ママ」と追いかけてくる時期は、あっという間に終わってしまいます。その時はとっても大変なのですが、過ぎてしまえば戻ることができない、かけがえのない時間です。
幼児食は子どものからだの成長ために必要な栄養を与えることだけでないと私は考えます。幼児食を通して得た楽しい時間や体験は子どもの心にいつまでも残るでしょう。
幼児食が親子の楽しいコミュニケーションの時間になること、親から子への素敵なプレゼントになることを祈っています。